episode542 ページ43
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リシェたちが私を縛っている、というの？
貴「……」
なんのために？
まさか…エレンやユミルたちと同じこと考えているの？
私には話さないつもりなの？
貴「リシェ…」
リシェ「……」
貴「リシェってば！！反応しなさいよ！」
リシェ「……A様」
貴「！！」
大声で叫ぶと、リシェは私の目を見て膝を着いた。
その瞳は昔のまま…
貴「ねえ…私をここに縛ってるのはあなたたちなの？」
リシェ「はい、その通りです。我々があなたの自由を奪っています」
貴「なぜ…？私が憎いの？」
リシェ「いえ…」
貴「なら、どうしてよ！みんな…ずっと一緒に戦ってきたでしょ…？」
リシェ「我々はあなたと共に戦い、あなたのために散る…それが本望です」
貴「……」
リシェ「戦ってください、A様」
貴「戦うためにはここを出なくちゃ行けないのよ！！この鎖を切って！」
リシェ「できません」
リシェは首を横に振った。
リシェ「戦ってください」
貴「戦うわよ！！エレンとユミルと！！」
リシェ「あなたは戦う意思がないんです
エレン・イェーガーとユミル・フリッツ…両者を救いたいと願うばかりですね」
貴「……」
ジーク「…そういうことだよ…君は優しすぎるが故、迷ってる…ここにいると君の心がよく伝わってくる…
座標のせいで、君の考えも筒抜けさ」
貴「……」
リシェ「……“私が力を使えば全部守れる、私だけが犠牲になれば”…
あなたの考えそうなことです」
貴「ｯ！」
リシェ「どうか冷静に戦況を見てください。
どんなにあなたが力を使おうとも、2人を助けることは出来ません…分かっているでしょう
全て決まっている、と」
貴「ｯ……いや……いやなのｯ…」
リシェ「……分かっています」
私は心のどこかでまだ模索していた…
エレンとユミルが救われる道を。
この大虐殺から生き延びて、生きられる道を…
ユミルには幸せになって欲しい…
このままじゃ…2人の死の先にあるものは地獄。
2人は何にも悪いことなんてしてないのに…
私はそれが受け入れられないの。
だって幸せになる権利は誰にだってあるんだからｯ…！
貴「地獄に行くのは私だけでいいｯ！！
私が作った世界なんだから！！」
リシェ「戦ってください、A様」
貴「…戦えないｯ…
私の大好きな人たちなんだもんｯ…戦えないよ…」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月19日 11時
