episode541 ページ42
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ジーク「俺の計画ならこんな悲惨な光景も見ることも無く、自然に死ねたはずだろ…君の望むエルディアの平和だって守ったまま静かに争いのない世界を作れたはずだ…」
ジークはドサッとその場に座り込んだ。
この世界には時間が無い…相当滅入っているように見えた。
貴「私は…ユミルの民だけじゃない…全世界の人類の争いを止めたかったの」
ジーク「……それは壮大だね」
貴「あの時の私は…ずっと誰の役にも立ててなくて、ならせめて…死ぬ事で全てに報いろうとしてたの。
全員の命を犠牲にして…
私が死ねばユミルも死ぬことになるし…なにより争いの種である巨人がこの世界が消える
1つでも生き残ったらまた同じ歴史を繰り返すと思ったの…
それにユミルだってもう…こんな場所にいたくないだろうなって、もう死にたいに決まってると思ってたわ」
ジーク「……もう飽きたんだろう…生きることに」
貴「……私が生きることで色んな人を傷つけた…ここにいる彼らのことも」
見渡すとリシェと目が合った。
ジークの居場所は教えてくれたくせに…他のことは喋らないの？リシェ
前のあなたならもっとお喋りだったじゃない…
貴「…私は生まれた時からいつだって災いを呼ぶの…それがA・フリッツ
せめて、最期はいい事をしたかったの」
ジーク「それが…全世界滅亡か」
貴「……もう誰の死も見たくなかった…
だから、あなたの計画には賛同できなかったの」
ジーク「……そうだよな…Aちゃんは俺たちの何倍も死人を見てきたんだもんな…わかるよ…俺でもきっとそうしてる」
貴「……気なんて使わなくていいのよ」
ジーク「本当だ…ここで君の記憶も少し見た…
戦いに先陣切って飛び出して、敵大将の所に一直線…
……いつもああやって戦いをやめようって話し合いを持ちかけていたんだと知ったよ…」
…それでいつも断られるの。
お前がA・フリッツだな！？悪魔め！！…って言われて
武器を振りかざされる。
そこをいつも、リシェや進撃の巨人の彼らが守ってくれた。
リシェはいつも
あなたらしい、と言ってくれて…私は何度も飛び出すの。
ジーク「彼らがそこを動かない限り…君の鎖は解けないよ…」
貴「…どうしてそう思うの？」
ジーク「君を縛っているのは…ユミルちゃんじゃなさそうだ」
貴「え…？」
ジーク「…彼らだよ」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月19日 11時
