episode539 ページ40
Aside
貴「…………」
涙が止まらない。
周りはとても静かで…でも誰かが私の周りを囲んでいる気配だけが感じ取れた。
泣き叫ぶ人々の声が聞こえる
戦う彼らの声が聞こえる
戦わなくちゃ、そう思うが身体が動かない。
動こうと思う度に、私を縛る鎖がキツく私を締め付ける、
私は泣いている。
ユミルが私の巨人を使ってみんなの邪魔をしている。
歴代の9つの巨人の魂を利用して戦わせている…
みんな苦戦している
項を吹き飛ばそうとしたピークも戦鎚の巨人の槍で貫かれて動かない
私が何とかしなくちゃ…
「何もしなくていいの」
みんなに希望を……
「もういいんだよ、A」
貴「！！」
私はハッと目を開けて声の主を見た。
貴「ユミル……ｯ」
ユミル「A、もう大丈夫」
いつぶりだろう…あなたの声を聞くのは…ｯ
ユミル「もう苦しいことはないから、ね？泣かないでA」
貴「ユミル…ｯユミルの声だｯ…」
ユミル「泣かないでったら。ふふっ」
貴「だって…ｯずっと声聞けなかったから…ｯ」
私はユミルの腕に包み込まれた。
涙がまた止まらなくなる…
ユミル「A、お願いがあるの」
貴「…なに？」
ユミル「
貴「彼、ら……？」
私は目を見開いた。
私を囲むように立っていたのは…
貴「…リシェ…？」
リシェ「………」
リシェを始めとする私と戦いを共にした進撃の巨人の継承者たち…
どうして彼らが…
他の継承者たちは私に背を向けて、みんなと戦っているのに、
彼らだけは私を見ていた。
ユミル「お願いA。彼らに命令をして欲しいの」
貴「ｯ…どう、して？」
ユミル「……まだ言えない。お願いA、あなたのためなの」
貴「ユミル…ｯ…私に話してよ…？どうしてエレンの方に行ってしまったの？
どうして、私を突き放したの？
私たち家族でしょ…なんでも話してよｯ…」
ユミル「………」
貴「ユミル…教えて？どうして…私を縛るの？」
ユミルは何も答えてはくれなかった。
エレンと一緒に何を考えているの…？
貴「あなたと分かり合えないままなんて嫌よ！
だから、答えて！！ユミル！！」
ユミル「……全部、Aのためだから」
ユミルはそう言って姿を消してしまった
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月19日 11時
