9th 彼女は傍観者【進撃の巨人】 (ページ36)

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episode535 No side ページ36

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A・フリッツは、愛するものからの裏切りに深く悲しんだ。

A・フリッツは、その悲しみから怒りを生み出した。

A・フリッツは、悲しみ、怒り、それに耐えきれず愛した世界を見放すことを選んだ。

その結果生まれた、運命である。

「ｯｯ…」

1人のエルディア人がその場に泣き崩れた。

カリナ・ブラウンは息子ライナーを復讐の道具にしてきたことを悔いた

カリナ「まだｯ…母親らしいことを…なにも…」

レオンハート「俺もだ…」

泣き崩れた彼女の背中を支えるように手を添えたのは、ライナー同様。戦士となったアニ・レオンハートの父親であった。

「皆も…どうか、誓って欲しい」

ドォオオオオオオオッ＿＿

「憎しみあう時代との決別を

他害を想いやる世界の幕開けを…

ここで私たちの怪物との別れを…」

……遠く離れた別の世界で、その言葉を聞く鎖に縛られる1人の少女がいた。

ユミルの民を通じて聞いたその言葉に目を閉じて
静かに涙を流していた。

貴「ｯ………」

ユミル「……」

エレン「……」

彼女を頬を伝う涙を、金髪の少女と黒髪の少年が拭う。

エレン「お前は2000年戦ってきた

100年前お前に与えられた悲しみは深く、誰にも分からない…

お前は悲しみと怒りで我を失っていた

この世界を滅ぼすことが自分の望みだと、自分を言いくるめた」

金髪の少女は、彼女の頭に触れた。

ユミル「……」

エレン「お前はもう戦わなくていい」

その言葉と同時に、現実の世界の進撃の巨人の上に

強い雷が光った。

「進撃の巨人に動きが！！」

「爆撃を開始しろ！！」

「しかしまだ高度が高すぎます！！」

「敵はそれを待ちはしない！！！直ちに投下しろ！！」

その言葉と共に、飛行艇から無数の爆薬が巨人達の上に投下された。

ドドドドドドドドドォオオオオオオッ！！！！

「やはり、集弾率が低いようです！！」

「続けろ！！この攻撃に全てをかける！！」

途端、出現した獣の巨人による投石で

飛んでいたはずの飛行艇が貫かれ、炎を上げて落ちていく。

ドォオオオオオオオッ＿！！！

「ｯ………」

「飛行船部隊……全滅しました……」

希望などない。

「すまない…罪のない子供たちよ…」