episode532 アルミンside ページ33
アルミンside
リヴァイ「……ｯA……」
兵長の震えた声に、僕はハッと顔を向けた。
貴「…………」
目の前にはAが兵長に支えられながら立っていた。
そして…Aの体が少しずつ…砂のように崩れ始めていた。
＿＿「Aを連れ戻す」
エレンはそう言っていた。
ミカサ「ｯｯ…」
ジャン「Aｯ…」
コニー「嘘だろ…ｯ」
ピーク「…体が砂に…」
ライナー「………ｯ」
リヴァイ「……行くのか…」
貴「……もうみんなと居られないみたい、ね」
リヴァイ「……あぁ」
貴「…エレンにこんなことをさせたのは私」
リヴァイ「まだそんなこと言ってやがるのか」
貴「それが真実よ、……リヴァイ」
どうして精神体にした、Aをわざわざ連れ戻す必要がある…？
やっぱりエレン…ライナーの言う通り僕らに止めて欲しいんだね……
それにはAも死ぬ…だから、最後に……
兵長の肩が震えていた。
Aはいつものように微笑んで、兵長の顔に触れた。
貴「私の望みは…平穏な世界を創ること」
アルミン「……」
貴「誰もが笑って。助け合って。争いのない世界」
リヴァイ「……あぁ」
貴「それが叶うだけの事よ」
リヴァイ「……お前の夢が叶う」
貴「そう…やっと叶うの」
リヴァイ「…めでたいな」
貴「えぇ…とてもめでたい」
ｻｧｰｯ＿＿とAの髪が、足が、崩れていく。
貴「あなたは私だけのもの。
私はあなたの妻になる」
リヴァイ「…あぁ」
貴「…子供はたくさん欲しい
あなたのその仏頂面な顔をした子供が欲しい」
リヴァイ「……あぁｯ…」
貴「家は私の大好きな場所に建てるの
海が見える、あの丘の上に」
リヴァイ「ｯ…ぁぁ…ｯ」
貴「お揃いのティーカップ買いに行かなくちゃ」
リヴァイ「……ｯｯ」
貴「あなたを愛してる、リヴァイ」
Aはいつになく穏やかな表情をしていた。
平和の先にある平穏な世界を、Aは望んでいた。
そのために生きてこれた、と。
“普通”の生活がしたかった、と。
貴「コニー、ジャン、ピーク、ライナー
ミカサ、…アルミン」
「「「ｯ……！！！」」」
貴「あなたたちもちゃんとお祝いしてくれなきゃ嫌よ？
ほら、笑って」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月19日 11時
