episode529 ページ30
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“力を貸してくれ”
私はそう言う彼の手に力が籠った。
ジャン「兵長…
もちろんです。
この飛行艇を飛ばすために仲間を大勢殺しました。
あれを…無意味な殺戮にする訳には行きません。
全ては地ならしを止めるため…俺はなんだってやります」
貴「…ジャン…」
コニー「俺はサムエルとダズを撃ち殺して…知ってる顔をめちゃくちゃに斬り刻んだ…裏切り者って言われながら」
ライナー「……」
コニー「世界を救うためだっていい聞かせて…
なあ、ライナー……お前もベルトルトもアニも…辛かったよな…」
ライナー「ｯ…もう贖うこともできない罪だ…
残りの人類を救ったって、一生自分を許すことは無いだろう
だから……」ﾎﾟﾝｯ
コニー「ｯ…」
ライナー「だからせめて…残りの人類を救おうぜ…」
コニー「…あぁ、そうだな…ライナー
贖うことが出来なくても、とにかく…やるしかねえよな」
ライナーはコニーの肩に手を置き、コニーはその手に手を重ねた。
ジャン「…そうだ…俺たちは同じだライナー…
お前を攻める資格なんてなかったんだ俺は…人を救うために人殺しになった…」
ライナー「…あぁ…レベリオ襲撃の夜にエレンに同じことを言われた」
＿＿エレン「お前と同じだよ、ライナー
仕方なかったってやつだ」
その時の会話は私も聞いていた…座標を通してね。
私も同じ…平和を願って争いを生んだ…人を沢山殺した…ただの人殺しよ。
ライナー「俺は…エレンの考えていることが少しわかる気がする」
貴「エレンの考えていること…？」
ライナー「…エレンは、俺たちに止めて欲しいんじゃないのか？」
「「……！」」
ミカサ「どういう、こと？」
ライナー「いや…そう思うってだけなんだが……」
アルミン「ずっと…疑問に思ってた。エレンはAを支配して、全ての巨人とエルディア人に影響をあたえることが出来るはずだ…なのに僕達はまだ巨人の力を使えるままだ」
貴「！」
私は目を見開いた。
確かにそうだわ…私だったらすぐに9つの巨人の力を抑制して世界を滅亡させるし…
ユミルが私を拘束してるのは、もしかして……
アルミン「…Aについてもだ。
わざわざAの精神体だけを僕たちの所に来させたのにはわけがある。
Aの意思が道にあってはならないんだよ…
僕たちを自由にさせるためには」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月19日 11時
