9th 彼女は傍観者【進撃の巨人】 (ページ28)

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episode527 ハンジside ページ28

ハンジside

大木の中にはAが眠っているんだという。

今のAと比べて随分幼いな…

だいたい10歳って感じかな。

できるなら彼女に触れてみたいが、
どうやらそこに近づこうにも、そこを守ってる人たちがいてこれ以上近くには行けないらしい。

大木を囲むように立つ複数の男性たち。

ミケ「恐らく、Aを守るように立っている」

ナナバ「私たちにわかるのは…ここがAの中ってことだけさ」

ハンジ「そう、なんだ…」

エルヴィン「お前なら彼らが誰なのか分かるんじゃないか？ハンジ」

ハンジ「え？…そう言われても…」

誰も彼も…見たことが見ないし…

分かるのは、みんな何やら鎧やらで武装して、剣や槍を持っていることくらいだし。

誰なんだろうか…

ハンジ「私たちの生きた時代の人達じゃなさそうだけど」

エルヴィン「彼らは…大昔の人間だろうな」

ハンジ「大昔…Aを守る………！あ！もしかして…」

ナナバ「何か分かったかい？」

ハンジ「……彼らは…進撃の巨人だった人達…だと思う」

そうだ…Aが言っていた

進撃の巨人の継承者たちは、いつも何故か私のそばにいた、って。

様相からして、確実に彼らは戦う兵士に間違いはないだろうし…
Aを守るように立ってるなら…彼らしかいない。

エルヴィン「進撃の巨人…か」

サシャ「私もAの昔話聞きたかったです、もっとお話したかったですよもう！」

ハンジ「ﾊﾊｯ…それはきっとAも同じ気持ちだよ、サシャ」

私はみんなに、Aから聞いた過去の出来事や、歴史の真実を伝えた。

そして、
Aとリヴァイの話をした。

みんなは笑った。

そして、やっとか、と肩を組んだ。

エルヴィン「Aのことをやっと知れたな」

ハンジ「随分長く時間がかかったけど」

エルヴィン「ハンジ、ありがとう」

ハンジ「なんでエルヴィンがお礼なんて言うのさ？私は何もしてないよ」

エルヴィン「いや…君が2人を見ていてくれて良かったと思ってね」

ハンジ「まるでお父さんみたいなことを言うね」

エルヴィン「父親か…Aに1度でいいからそう呼ばれてみたかったな」

ハンジ「え……そんなこと思ってたの？」

エルヴィン「冗談さ」

冗談のように聞こえないのは、きっと私だけじゃないはずだよね。