二十話 ページ21
××
『ッ……………！？』
バッ、と勢いよく布団から起き上がる。どくどく、とうるさく鳴り響く心臓の音。可笑しいくらいにとめどなく溢れる大粒の涙。もう何が何だか分からず、私の脳内はパニックになっていた。
もう心の中では区切りをつけたと思ってたのに、なんて思っても一度解れた鎖はゆるゆると容易に解かれていく。
苦しいから、痛いから、忘れようと過去の私が奥底に仕舞いこんだはずの感情がフツフツと溢れ出して行くのが感覚で分かってしまう。
過呼吸気味な所為で、深呼吸しようとしても体が言うことを聞かない。
私の作っていた曲が"人を傷つける武器"として使われていたことを知らされたあの日、私は一度自分の存在を失いかけた。
それでも…………、
それでも誰かしらは笑顔になってくれることを信じて自分の感情すらも騙して突っ走ることを決断したのは、それから五日くらい経った時の事。
長い間塞ぎ込んでいたが故に自分じゃコントロールできないな、と悟った私は自室を飛び出て寝巻き姿のまま宗のいるリビングへと駆け下りた。
バンッ、と力いっぱいドアを開けるとそこには慌てた様子の宗ともうひとりの姿が…………。
レオ「A…………！？」
『え、ぁ、なんで、レオが』
目を見開き驚きながらもジリジリと近付くレオとゆっくりと後ずさる私。
宗はやってしまった、みたいな顔をしてから何処かに連絡していた。
恐らくママか渉………いや、多分ママだろう。
なんて考えてる間にもレオは私に近づく。私はもう限界だったのか、足がもつれて床に座り込んでしまった。未だに涙は止まらないし鼓動はずっと脳内にうるさく鳴り響いている。
レオ「A、ごめんな、あの時おれっ……というかどうしたんだ？何で泣いてるんだ？」
『ぁ、いやっ、やだっ、やめてっ…………！』
あまりにも優しい言葉に困惑した私は伸ばされたレオの腕を思いっきり叩き落とした。どうして？なんで今更…？
分からない。分からないよ、ねぇ。
どうして生きてるだけでこんなにも息苦しいの？楽しいこととかやりたいことだけをしてたら幸せになれるんじゃなかったの？
ねぇ、だとしたら何で
どうしてレオはこんなにも傷ついてるの？
××
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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
