｛弱虫ペダル｝勝利の女神の奮闘記 NO.7 (ページ3)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:12,637 hit

・ページ3

金城先輩に果たし状を渡しに行った後，私は中庭のベンチでお弁当を広げる

今日のお弁当の中身は
ご飯，卵焼き，ミニトマト，ほうれん草の胡麻和え，そしてプリン

お弁当はだいたいは私が作るが，寝坊した時はお母さんが作っていてくれる

今日はちゃんと起きれたから自分で作った
まぁほうれん草の胡麻和えは昨日の晩御飯の残りだけどね

「雛虎ちゃん今日もお弁当や！」

頭上から降って来た声に振り向くと，鳴子くんが大きな口を開けて待機していた

雛「…卵焼きが食べたいの？」

鳴「そうや！」

雛「はい
ほんと鳴子くんは卵焼き好きだね」

口の中に卵焼きを入れると，鳴子くんは美味しそうにもぐもぐ食べる

こう食べてくれると私も作り甲斐があるものだ

鳴「ワイのオカンが作る卵焼きはしょっぱいから，甘いのが新鮮やねん」

雛「新鮮って…
もう何週間も私の卵焼き食べてるじゃない」

“雛虎ちゃんの作った卵焼き食べてみたい”と言われ，1つあげた3週間ほど前＿

それから鳴子くんは毎日私の卵焼きを狙ってくるようになってしまった

鳴「雛虎ちゃんホント料理上手なんやね
ええお嫁さんになれるで」

雛「ありがとう褒め上手だこと」

そう言われると素直に照れる
顔に熱が集まるのを感じながらパクパクとお弁当を食べ進めていくと，ふと疑問に思ったこと口にする

雛「鳴子くん何か私に言いたいことあったんじゃないの？」

鳴「そうや！忘れとった！
なんで分かったん？」

食べてたパンから口を離し，大げさにハッとする鳴子くん

雛「だって鳴子くん，いつも卵焼き食べたら教室にもどるのに今日はお弁当持って私の所に来てたんだもん」

そう言うと鳴子くんは“よう見とるなぁ…”と感嘆の声をもらした

鳴「ワイもオッサンに勝負申し込んだねん」

そう言って鳴子くんは再びパンを食べ始める

雛「鳴子くんは練習の時いつも田所先輩に勝負仕掛けてたから，新鮮味がないね」

鳴「新鮮味て…」

“新鮮味って何かおかしいやろ”
と笑う鳴子くん

雛「勝てる自信は？」

鳴「メッチャある」

八重歯を見せながらニカッと笑う

雛「って言いながらこの前負けてたけど」

鳴「うっ…今度は負けへんし！
絶対オッサンに
“参りました。オレの負けです。”
って言わせんねんで！」

そう言って鳴子くんは強く拳を握る

雛「お，おう…頑張れ…」

田所先輩は負けても，頑(かたく)なにそんな事言わなそうだけどね