Stand by me 【Arashi・Masaki・Aiba】

７．誘導尋問 ページ7

(ひー…)


朝から超疲れた。
次の仕事場に行って、
控え室でぐったりしてたらニノが入って来た。



「ダラけてんなー」



呆れたみたいに俺をちらっと見ると、
ニノは椅子にドサッと座ってゲームを取り出した。



「違うって聞いてよ、
もう朝から大変だったの！」

「なにが」

「寝坊してマネさんブチ切れで、
起きて３分で家出てさぁ」

「へー、あなたにしちゃ珍しー」

「でしょ」

「…くないじゃん」

「おい！」



ゲームから目を上げないまま、
ニノが楽しそうに笑う。



「何だよもー。
やめやめ、台本覚えよっと」

「そうですよ、今回推理すんでしょ？
初回からあんな長台詞でさぁ、
あなた空き時間全部使ったってギリッギリ、」

「うるせぇな」



軽口を叩きながらバッグの台本を取り出したら、



「なんか落ちたよ」



つって、ニノが俺の足元に手を伸ばした。
拾った途端妙な顔になって上目遣いに俺を見る。



「…これですけど」



って差し出されたのは…
げ、今朝のハンカチじゃん！


(わーわーわー！)


超焦ってひったくろうとしたら、
ニノがニヤリと笑ってひょいとハンカチを高く掲げた。



「あなたハンカチなんて持ってんすね。しかも花柄」

「これは俺のじゃないのっ！」



言っちゃってからやべっと思った瞬間、



「へぇ。じゃ、誰の？」



にやにや倍増のニノ。
くそー誘導尋問だなんて汚ねぇぞ！



「だっ…誰のでもいいじゃん！
もらったの！あっ違うか、拾って…はねぇな、預かった…？」

「怖い怖い怖い、
独り言デカすぎなんだけど」

「とにかく！
何でもないんだから返してよもう」



ハンカチを奪い取ってバッグに放り込む。


(何を聞かれても答えないよーだ)


台本に集中してる俺を見て諦めたのか、
ニノはもう何も言ってこなかった。

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