5.問答無用です ページ5
風呂場の方からかすかに水の音が聞こえる。
そっちを気にしないようにしながら、
いつもよりちょっと丁寧にコーヒーを入れた。
あの後。
川は深くなかったし流れもほとんどなかったけど、
俺の手を借りて水から上がった彼女は、
見事に全身びしょ濡れだった。
「わーごめんなさい!
…うっわマジどうしよ、ホントごめんなさいっ!!」
「大丈夫、ですから…」
「いやだってビッショビショじゃん、
全然大丈夫じゃないって!」
「…帰って拭けばいいので…」
「え、だって家どこ?
こっから近い?」
「…」
「ね、俺チャリで来てるから乗って?
すぐにその服乾かさないと大変だよ!」
「いえそんな、」
「あっあの、別に変なこと考えてるんじゃないから!ね?」
大丈夫ですから、って彼女は何度も言ってたけど、
冷たい川に浸かった上に夜風に吹かれて唇はあっという間に真っ青。
体だってガタガタ震え出しちゃってる。
マジで押し問答してる場合じゃないって。
「こんなで帰らせちゃったら、
申し訳ないのと気になりすぎで俺今日寝れないもん!」
って押し切って、
結局俺んちまで強引に連れてきた。
帰ってソッコーで風呂を沸かして、
いま入ってもらってるってわけ。
「はいどうぞっと…」
熱いマグカップを2つコーヒーテーブルに置いて、
俺はソファーにゆっくり座った。
グォングォングォン…
シャワーの音に混じって聞こえてるのは乾燥機。
びしょ濡れの彼女の服をざっと洗って大急ぎで乾かしてるとこ。
とりあえずの着替えにって、
さっき俺のスウェット上下をそっと洗面所に置いてきた。
(こないだ一気に洗濯しといてホントよかったぁ…)
小さく聞こえる水音と洗濯機の単調なリズム。
シャワーの音はまだ続いてるし、
彼女が風呂から上がってくるには当分時間がありそう。
ちょっとだけ休憩するつもりでソファーに寝そべった。
横になった途端一気に頭がぼんやりして、
(あー…そういや、まだ名前も聞いてないじゃん)
そんなことを考えたとこまでは、
何となく覚えてんだけどな…。
ラッキーカラー
あずきいろ
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薫子(プロフ) - さやさん» おかえりなさーい!!w 今日みたいな日にはもってこいなお話でしょ(笑) 文法的には未熟な部分を直したいとこ多々あるけど、まるっと新鮮にお楽しみいただければと♪ (2014年2月9日 15時) (レス) id: 6043de2546 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - コンニチハ~!!!またここからスタートです(笑)苺狩りには行きたくないけど、ビタスイ見て物足りない感をここで埋めるとゆーw迷惑読者デスm(__)m (2014年2月9日 10時) (レス) id: b8e2f59c3f (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - 知代さん» いらっしゃいませ知代さーん!(キャーキャー!!) このお話、実は書きながら葉担に変わっちゃったっていう思い出深い作品(笑) ごめん翔ちゃん浮気が本気に…(違) 私が書くと根暗気味な彼ですが、明るいだけじゃない相葉さんを愛していただけたら(’-’*)♪ (2013年11月11日 18時) (レス) id: 6043de2546 (このIDを非表示/違反報告)
知代(プロフ) - これいい!(バンバンッ) これいい!(バンバンッ)← まさしくキャラが相葉さんすぎて! 感情移入できます! すごい!! 私は雅紀のためなら婚約者だってあきらめるわよ〜!←誰 (2013年11月11日 17時) (携帯から) (レス) id: 08384c1430 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - ちゃいさん» 初めまして、コメありがとうございます!ツボっていただけて嬉しいです^^ 先の長いお話なんですけど楽しんでいって下さいね♪評価もしてっていただけたらさらにありがたく(>_<) またコメいただけたら嬉しいです!いつでもお待ちしております^^* (2013年4月7日 22時) (レス) id: e052895b8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薫子 | 作成日時:2012年3月24日 23時