Stand by me 【Arashi・Masaki・Aiba】

２７．お誘い ページ27

仕事がいい感じに終わって、
今日もなんとか店に行く時間ができた。


(あれっ？)


指定席に通されたけど篠原さんがいない。
いつもカウンターの中で、
いらっしゃいませって笑いかけてくれるのに。



「あの、すみません…」



気になってお店の人に聞いてみた。
今日って篠原さんは…あ、お休み。
あーそうですか、ありがとうございます。


(なーんだ残念…)


じゃあこの１杯飲んだら帰ろっかな。
これももちろんおいしいけど、
でも篠原さんの作ったカクテルが飲みたかったんだもん。



「ごちそうさまでした」



出されたグラスはせっかくだから味わって、
申し訳ないけど早々に店を出た。


(ま、いっか…)


次を楽しみにまた来ようっと。
…そう思い直して店の角を曲がったら、
見慣れた後姿にふと目が行った。


(あれっ、なんで？)


一瞬不思議に思ったけど、
でも絶対間違いない。



「あの、篠原さん？」



近くまで走り寄って小さく声をかけたら、
びっくり顔の彼女が振り返った。



「やっぱりそうだ！わーこんばんは」

「こんばんは。
今日も来て下さってたんですか？」



そうだよ、篠原さんに会いにね。
…なんてスラッと言えたらいいけど、
そんなこととても言えない。
何となく笑い返して、



「あれ？ でも今日はお休みってお店の人が…」

「ええ、休みなんですけどちょっと…
お店に忘れ物しちゃって」



照れくさそうに彼女が笑う。
いつもアップにしてる髪は全部下ろされてて、
お店で会うのと全然違って見えてちょっと新鮮。
ゆるくウェーブがかかった黒い髪が、
下ろしたら肩より長いなんて知らなかった。


(またひとつ新しい発見♪)


こんなとこで２人きりで喋ってることにテンションが上がっちゃって、



「ね、ちょっとだけ一緒に飲みませんか？」



気がついたらそんなこと言ってた。

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あずきいろ

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