◆-135-◆試作品 ページ16
「あーやっぱムズいなー…」
翌日、相葉は自宅のキッチンで呟いていた。
何年か前とはいうものの一時期あんなに練習していたのに、
シェイカーの感覚などはまるでなくなっていた。
見た目の完成度はそれほど悪くないカクテルをグラスに注いだが、
(…お客さんに出したら殴られんなマジでこれ)
ひと口飲んで思わず苦笑いがもれた。
ふふ…と彼女の笑い声も聞こえたような気がして、
相葉はグラスを持ったままキッチンを出てカウンターの前に立った。
飾ってある小さな写真に向かって言い訳がましく口をとがらせる。
「昨日教えてもらった通りにやってみたんだよ？ 一応」
キッチンに置いたままのメモにちらりと目をやり、
自作のカクテルをもう一口含む。
やはり昨日と同じ材料とは思えない味に、
「…今はこんなだけど。
ちゃんと練習するからね」
そんなに猶予があるわけではないが毎日練習し、
美味しいと言ってもらえるレベルにするつもりだった。
そうでなければ色々な人に申し訳が立たない。
「笑ってないでさぁ、コツがあったら教えてよ」
カウンターに２本並べて置いてあるワインのラベルにそっと指を走らせる。
自分の生まれ年のこのワインを彼女にもらった時から、
気付けばまたひとつ年を重ねていた。
彼女の年に追いついてしまうのも…
ふと考えれば、もうそんな先のことではない。
「…ごめんウソ。
なんか悔しいからいいや、やっぱ」
習うより慣れろという言葉通り、
自分はその方が得意なタイプだ。
「あ…っとそうだ」
相葉は飲みかけのグラスをカウンターに置き、
ソファーに置いたままだったバッグからスーパーの袋を取り出した。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
