◆-14-◆暗がりの姿 ページ14
昨日の今日じゃ全然ほとぼりは冷めない。
そんなことはよく分かってたけど、
正直仕事はやりにくくて仕方ない。
「あ、見ましたよーアレ♪」
なんて冗談めかしてわざわざ言ってくる人もいるしね。
その件で追い回されてるから、
当分は絶対直帰って約束させられてるし。
ペナルティーっつうかプチ謹慎てとこかな。
だから今日も割と早い時間にこうして帰ってこられたわけなんだけど、
「ただーいまー…」
言ったってAさんは仕事行ってるから返事なんてない。
ただ習慣のままにそう呟いて俺は玄関にカギをかけた。
(あー…マジ疲れた)
閉めたドアにもたれてため息をついた。
ただ仕事してるだけならこんなに疲れてない。
結婚するってスクープされた時だって、
気持ちは前向きだったから今とは全然違う。
面白半分の単なる嫌がらせみたいな標的にされんのって、
ホント精神えぐられるんだよね。
「…さーてと、」
でももう家だし気持ち切り替えようって思って、
俺はフッとひとつ強く息を吐くとリビングに入って電気をつけた。
(え…？！)
入った時は暗かったから全然気がつかなかったけど、
ソファーにぐったりもたれてるAさんに気づいて血の気が引いた。
「Aさん？！
ちょっ、どうしたの？！」
駆け寄って思わず声を上げたらAさんがぼんやり目を開けた。
ふっと俺を見た目がびっくりしたみたいに大きくなる。
「あ…まぁくん。お帰りなさい」
「お帰りなさいじゃないよ！
なに、どしたの？ 具合悪いの？」
「いえ、大丈夫です」
よいしょって体を起こす背中に手を添えたらAさんが笑った。
でも顔色すげぇ悪いじゃん。
「大丈夫って顔じゃないでしょ。
ね、本当にどうしたの？」
「…ちょっと、風邪気味で」
「風邪？」
「はい。あ、念のため店は早退させてもらったんですけど。
でももう平気ですよ？」
そうかなぁ。
さっきは全然そうは見えなかったけど。
「お夕飯作ってたら眠くなっちゃって…
だからちょっと休もうかなって」
「うん」
「…えっと、それがなんでこんな時間に？」
時計を見て苦笑いしてる顔を見たらちょっと安心した。
「無理しないでよ？」
「ふふ、はい」
「風邪は万病の元って、」
「『ばあちゃんがよく言ってた』？」
「…」
ピッタリ予想されて思わず黙った。
大当たりですねってクスクス笑ってるAさんを、
俺はぎゅっと抱きしめた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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薫子(プロフ) - さやさん» おお、さすが！飽きられないように私も頑張らねばっ(￣◇￣;) まぁくんは青天の霹靂って感じだよね。２人の関係がこれからどうなるのか…フフフ、お楽しみに(ΦωΦ)b (2015年12月16日 21時) (
レス) id: 6043de2546 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - ここまで予想通りの展開(ﾌｧﾝ歴故)…さてどうするまぁくん!! (2015年12月16日 16時) (レス) id: 022037c9da (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - ゆーかんさん» わ、嬉しい！！そんなに楽しみにしていただけてるなんて本当に励みになります(ノω；) なかなかヘビーな展開になるかもですけど、また読んで感想いただけたら嬉しいです。頑張りますねっ！！〆(｀･ω･´) (2015年12月14日 15時) (レス) id: 6043de2546 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーかん - 最近は毎日更新をチェックするくらい、毎回どうなったんだろうとかあー良かったとか思っています。ゆっくりでも、絶対見るので更新頑張ってください!!＾＾ (2015年12月14日 15時) (レス) id: c501d19c36 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - ゆーかんさん» そんな前からずっと読んで下さってるなんて…ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ 好きと言っていただけて本当に嬉しいです！最近は前のように更新できてなくて心苦しいんですけど、こうしてコメいただけると元気でます！またいらして下さいねー♪ (2015年12月2日 7時) (レス) id: 6043de2546 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2015年11月22日 16時
