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「……ってわけでね、考えてみたらここしばらく舘さんとまともに話してないのよ。」

ラ「うーん、なんでだろうね。この前の勘違い事件の件は和解したんでしょ?」

「うん。それはランチ奢って許してもらえた。」


昼公演と夜公演の合間。
クールダウンのために柔軟をしているラウちゃんを補助しながら、昨夜浮かんだ疑問について相談してみる。


「顔合わせること自体が少ないんだよ。避けられてる?とか思っちゃって。」

ラ「それはないでしょ。たまたまタイミングが合わないってだけかもよ。」

「そうなのかなあ。」

ラ「ナミちゃんから話しかけに行ってみたらいいじゃん。」

「…その手があったか!そうだね、そうしてみる。ありがとうラウちゃん。」

ラ「どういたしましてー。」


ラウちゃんはぶっちぎりの最年少メンバーだけど、誰よりも冷静に周りを見ている子だ。
わたしにも、こうして実に的確なアドバイスをくれることが多い。


ラ「話す機会が減って不安になっちゃうくらい、ナミちゃんの中で大切な存在なんだね、舘さんは。」

「へっ?」

ラ「痛っっ!!!」

「あ、ごめん!!!」


思いもよらない発言に動揺して、うっかりラウちゃんの背中を強く押しすぎてしまった。



ーーーー



(大切な存在、かあ…。)


ラウちゃんの言葉を反芻しながら歩いていると、ちょうど遠くに舘さんを発見した。
これは早速話しかけるしかない!


「舘さんっ!!」


ピンと伸びた背中に向かって小走りで近付き、声をかける。
イヤホンで音楽を聞いているみたいだったから、服の裾を小さく引っぱってみた。


振り返った舘さんは、驚いた顔でイヤホンを外す。


『おつかれ、Aちゃん。』

「おつかれさま!」

『なあに?なにか用?』


なにか用?なんて聞かれるもんだから、返しに困ってしまう。
いつも他愛ないことで笑い合ってるのに。



「あ、えっと…用とかじゃないんだけどね。最近あんまり舘さんと話せてなかったから、見つけたのが嬉しくて…。」



待って、なんだか言ってて恥ずかしくなってきた。
これじゃまるで、飼い主を見つけて駆け寄る犬みたいじゃん。


気まずくなって反応を伺うと、舘さんは眉間にギュッとシワを寄せて口を一文字に結んでいた。



あれ、怒ってる?機嫌悪い?



『そう言われてみれば久しぶりだね。ごめん、俺これから衣装さんと打ち合わせだから、行くね。』


彼は一息でそう告げると、目も合わせずに角を曲がって行ってしまった。

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びすこ(プロフ) - まあさん» まあさん、はじめまして!わたしも舘様寄りの箱推です🥹一緒🥹🥹嬉しいコメントありがとうございます!クラクラな展開になるかはわかりませんが😂二人を見守ってくれると嬉しいです。またいらしてください! (1月2日 17時) (レス) id: c715209984 (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - 初めまして!舘様寄りの箱推です。いや、待ってましたよこのお話😍もっともっともっと、私達をクラクラさせて下さい! (1月1日 8時) (レス) @page46 id: c613e7ffb3 (このIDを非表示/違反報告)
びすこ(プロフ) - yukiさん» yukiさん、コメントありがとうございます😳🌹わー!うれしいです!更新頑張ります! (9月23日 0時) (レス) id: 2dbdd1eef0 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごくすごく好きなお話です!更新楽しみにまっています❤️ (9月18日 2時) (レス) @page42 id: 20f54394f0 (このIDを非表示/違反報告)
びすこ(プロフ) - ひまわり。さん» ひまわり。さん、コメントありがとうございます🫶更新頻度上げられるように頑張ります! (9月12日 20時) (レス) id: 068df6770e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:びすこ | 作成日時:2023年2月25日 2時

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