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しかし三郎は気にした様子もなく、再び綾部に話しかけ始めた。
三郎｢喜八郎、この通路は何だか不気味だ。もしかしたら妖怪が住み着いたのかもしれない……！｣
綾部｢よ、妖怪？まさか……｣
思いの外"妖怪"というワードに怯える綾部。妖怪は日本古来の信仰。現代では心霊が多いけれどこの室町は妖怪が主流の時代。確か河童とかはもう少しあとの時代だけど天狗とかは既にいるとされているはず。妖怪がいると証明できないと同時にいないとも証明できない。信じ込んでしまうのは必然なのかもしれない。
三郎｢穴掘りの達人などと煽てられ、無闇に落とし穴を掘りまくった綾部喜八郎。お前のせいだ……｣
三郎の背後、空中に無数の目が浮かび上がった。怖いとか以前の問題で集合体恐怖症には厳しいので目を逸らす。
綾部｢ひぇ、えぇ……｣
三郎｢喜八郎、ここは危険だ。私は乱太郎に変装して逃げる！｣
綾部｢えっ！？｣
三郎｢喜八郎！お前も早く逃げろ！｣
綾部｢ひええっ、何なんだこれは……！？｣
何かに追われているかのように出口へと向かって走る綾部。とりあえず私もうしろからついていく。
三郎｢前！前！｣
綾部｢え？……うわあっ！？｣
前をしっかり見ずに走っていた綾部はそのまま壁へ激突。大きな音が通路へ響いた。よろめいた綾部はそのまま気を失って倒れてしまった。
『あーあ……』
｢綾部先輩……？｣
上空から降ってきた声。見上げれば先程引き返して行った乱太郎、きり丸、しんベヱの姿。
三郎｢乱太郎、きり丸、しんベヱ｣
｢｢｢？｣｣｣
乱太郎の姿に変装した三郎に戸惑う三人。するとやっといつもの雷蔵の姿へ戻った。
三郎｢私だよ｣
｢｢｢鉢屋三郎先輩！｣｣｣
三郎｢すまんが縄ばしごを持ってきてくれ｣
乱太郎｢わ、分かりました！｣
三人の足音が聞こえなくなると漸く三郎が話しかけてきた。
三郎｢お前は引っかからなかったんだな｣
『……先輩が何か企んでるのに気づいたので』
三郎｢企んでるって、人聞きが悪いなぁ｣
『間違ったことは言ってないでしょう』
｢まあな｣と少し笑った三郎は綾部を背負う。
三郎｢お前まで落ちることは計算外だったが、｣
『私だってできることなら一緒に落ちたくなかったですよ…にしても喜八郎、意外と精神面弱いのかな』
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タンシオ - 初コメ失礼します！！最後の七松くんのラッキースケベが羨ましいな、、、なんて思ったり笑怒涛の展開で見ていてとても楽しいです！！また次の更新を楽しみにしてます！！碧さんもどうかご自愛してくださいませ。 (2022年2月12日 11時) (
レス) @page47 id: 85b974bf49 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - トントンと話が進んでいくので、集中して一気に読んでしまいました。夢主ちゃんが思っていることに共感したり、ナイスツッコミ！と思ったり……。この作品に出会えて良かったです。作者さんのペースで全然構わないので、体調に気をつけて更新頑張って下さい！ (2022年1月18日 17時) (レス) @page34 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - 面白くて、一気に読んじゃいました。保険委員の絡みが好きです。 色々大変なんでしょうが気がお向きになりましたら、更新の方…お考えになってみてください… (2021年12月16日 19時) (レス) @page34 id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の3.5年生 - 面白くて一気読みしました…4年生の絡みが特に好きで浜くんも出てきてくれて本当に嬉しかったです…このご時世ですしお仕事もプライベートも何かと大変ではあると思います。どうかお身体に気をつけて…気が向いたらこちらの方もまた考えてみて下さい… (2021年6月24日 2時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
明花(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございますお疲れ様です…！！本当にこの小説が大好きなので嬉しいです！！！！ですがご無理せず、蒼葉碧さんのペースで書いてくださいね…(;_;)この小説の完結までずっと見守らせていただきますので……！！！いつもお仕事お疲れ様です(T . T) (2021年4月12日 14時) (レス) id: 8eeae89b18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年9月1日 8時
