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伊作｢お、いたいた｣
『うんしょ、っと』
一番初めの診断は仙蔵だ。
校庭の隅でお手製の焙烙火矢をこしらえているところを発見。私たちは仙蔵に見つからないように近くの小屋の屋根上から観察している。
伊作｢六年い組立花仙蔵、作法委員会委員長。忍術学園一クールで落ち着きのある優等生。でも怒るとかなり怖い｣
『後半書き取る必要あります？』
伊作｢任せるよ。……得意な武器は焙烙火矢や火車剣などの火器類、｣
伊作が紡いだ言葉を必要な箇所だけ記録していく。……身長も体重も測らないのに健康診断と言えるのだろうか。
一方目下の仙蔵は焙烙火矢が完成したらしく、火種をつけて練習場の方へ投げる。少ししてそれはちゅどーんと大きな音を立てて爆発。ソフトボールより大きいくらいのサイズであの爆発力、恐るべし。
学生の身で自ずと火薬を調合し納得のいく焙烙火矢を生成する忍者のたまごなどそうそういないだろう。最初こそは何故火薬委員では無いのだろうかと思ったけれど、火器が得意武器な人達は常に火種を持ち歩いている。それが煙硝蔵にて誤って火薬に引火してしまったら大事故。だから仙蔵や三木ヱ門、虎若たちは火薬委員にはなれないし、兵助の得意武器は火器ではないのだ。
仙蔵は続いて火車剣にも火種をつけ、的へ目掛けて打つ。しかしそれは大きくカーブを描いて……
伊作｢うおっ！｣
『先輩！(小声)』
何故か伊作の方へ飛んでくる。間一髪のところで避けたが後ろへバランスを崩す。
『あ、』
伊作｢うわああっ！｣
素早く伊作の手を掴もうと伸ばしたが、私の手は虚しくも空をつかむだけ。伊作はそのまま瓦屋根を転がり落ち、下の植え込みに頭から真っ逆さまに転落した。
尚、仙蔵の打った火車剣は見事的の中央へと刺さっていた。
『大丈夫ですか！？』
伊作｢これくらい平気！……いつもと変わらぬ火器の腕前、クールな微笑み、そして美しく靡くサラサラストレートヘア。仙蔵の健康状態は極めて良好。記入お願いね！｣
『あ、はい』
予め名前の記入されていた表に大きく○を書いた。
真っ逆さまに転落しておいて顔色ひとつ変えずに健康診断を続けるなんて。少しは自分のことを気にかけて欲しいけど、保健委員スイッチの入った今の伊作は聞く耳を持たないだろう。
伊作｢よし、次は長次のところだ｣
『……はぁい』
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蒼葉碧(プロフ) - 春さん» わざわざpixivからお越しくださりありがとうございます！ストーリーはこちらの方が少し進んでいますので少しでも頂けたら幸いです……！ (2020年9月10日 22時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
春 - モブと色を見てpixivから飛んできました！まさか占ツクでUPされていたとは…即お気に入りさせていただきます！ (2020年9月10日 21時) (レス) id: cc81ffe234 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年8月18日 18時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 主人公の性格がドストライクです。更新楽しみにしています。久々知兵助君と利吉さん格好いい！！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: ad1a18fb4b (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 凛@昆布教さん» ありがとうございます〜！新たな沼のきっかけになれたなら嬉しいです(^ω^) (2020年8月10日 22時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年7月18日 15時
