┃ ページ25
・
・
・
数馬｢……えっ、そんなあっさりいいんですか？｣
『うん。断る理由もないしね』
数馬｢ありがとうございます……！｣
パァ、と明るい笑顔をうかべる数馬がとても可愛い。
内容にもよるけどこんな可愛い後輩の頼みを断れるわけないわ。それにしても後輩の鍛錬か、初めて見るなぁ。長い一日になりそう。
その時、突然大きな音と
──ドーンッ
悲鳴と
｢ぎゃーっ！！｣
少しだけ遅れて振動が伝わってきた。
数馬｢えっ、何！？｣
『……嫌な予感』
そのままじっとしていると廊下の方が騒がしくなる。
──あ、伊作先輩！大丈夫ですか！？
──いてて……何だか廊下が濡れていてね、思いっきり転んでしまったよ
──医務室行くか？
──大したことないから大丈夫だよ。それにしてもなんでこんな所が濡れているんだ……
『……』
数馬｢……｣
数馬と目が合った。私は一回、ゆっくり瞬きをして立ち上がる。医務室の戸を開け、走り出しこう叫んだ。
『ごめんなさあああああああい！！！！！』
⋮
さてやって参りました、三年生の自主鍛錬を見守る日。まとまって歩く三年生の少し後ろから木を伝ってこっそり追いかけているモブです。
学園を出てしばらく経ったけど未だ平和だ。孫兵のペット──ジュンコ以外連れているかは知らないけど──はまだ逃げだしていないし、迷子二人を繋いだ縄はまだ切れていない。このまま平和に帰りたいけどそうにもいかないよな、モブ知ってる。
作兵衛｢っし、この辺で始めるか。……お前らその辺うろちょろするんじゃないぞ｣
左門｢わかった！｣
三之助｢そんなに心配しなくても。迷子になるわけじゃないし｣
作兵衛｢毎回迷子になってんだ！！｣
今作兵衛と一緒に全人類がツッコミ入れたと思う。私も心の中で入れた。
藤内｢それで、鍛錬って何するの？｣
孫兵｢作兵衛か藤内が考えてたんじゃないの？｣
作兵衛｢……｣
藤内｢……｣
突然の静寂。皆微動だにしない。おっと……？
数馬｢えっ、誰も何も考えてなかったの？｣
｢……｣
まさかのノープラン。やっちまったねぇ。
アニメならズーンというSEが着いていたに違いない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 524人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
