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決して、決して私の勘が鈍った訳では無い。私の察知能力より五年生の隠蔽能力の方が高いだけ。絶対。……きっと……多分
勘右衛門｢おーい、そんな所に居ないでこっちに来なよ〜｣
『無 理 で す』
勘右衛門｢即答じゃんウケる｣
何もウケねえよ。
そんな所とは五いの二人の部屋の一角、すみっこ。中央に円のようにして座る五年生とそこからできるだけ離れようと隅っこで縮こまる私。こうなるって心のどこかでは分かって居たはずなのに……迂闊すぎるぞ私。
先程背後の三人に驚き腰が抜けてその場にへたりこみ、ちょうどいいや！って顔の勘右衛門に部屋に引きずり込まれて……現在。なんてこったい。おまけに戸の対角上、つまり戸から一番遠いところにいるので逃げれやしない。
雷蔵｢そういえば僕に用があったの？｣
湯のみを持ちながら雷蔵が振り返る。そうだ、目的を忘れていた。
『先日のお礼を伝えたくて。不破先輩、竹谷先輩、鉢屋先輩、ありがとうございました。おかげですっかり良くなりました』
雷蔵｢それをわざわざ？律儀だね｣
竹谷｢礼なんて気にすんなよ｣
『いえ、こういうことはしっかりしたいタチなので』
ちょっとだけ目力を強めると｢おお……｣という声が上がった。何だそれ。
鉢屋｢んじゃ、Aがそこまで言うなら、何かして貰うか｣
『ん？』
今日会ってから欠伸しかしていなかった三郎がやっと言葉を発した。……待て、何かって何だ。お前が言うことは嫌な予感しかしないんだ。やめてくれ。
雷蔵｢何かって？｣
鉢屋｢何がいいだろうな。なにか手伝ってもらうのもいいし、使いに出すのもいい｣
竹谷｢おいおい、Aは病み上がりなんだぞ｣
鉢屋｢別に強制じゃないさ。Aから言い出したんだから。なあ、A？｣
『…………』
三郎の悪い笑顔……本来ならご褒美だけど今は嬉しくない。そんな風に言われたら逃げ道ないじゃん。こいつが敵じゃなくて良かったと心底思うよ。まあ今敵みたいなもんだけど。
勘右衛門｢お、いいねぇ。俺は町まで一緒に出かけたりしたいなぁ……八左ヱ門は虫の捕獲手伝ってもらうんだろ？｣
竹谷｢なんで虫限定なんだよ。……まぁ思いつくのはそれくらいしかねえけど｣
うーん、竹谷には申し訳ないけどそれだけは無理だな。ぶっ倒れ待ったナシ。
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蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
