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さてここで問題です。推し、特に美人の顔がどアップになった時、オタクはどうなるでしょうか。
『ビャーーーーッ!!!』
兵助「えっ、A?……Aーーーッ!!!」
乱太郎「A先輩……」
答え、失神します。
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目覚めたら私は保健室に寝かされていた。
まだ当番で残っていた二人に話を聞けば、兵助は目の前で私が突然倒れたもんだからすごく動揺していたそうで。自分たちが介抱するから大丈夫と伝えたところまた後で詳細を伝えに来るという伝言を残して帰ったそうな。
枕元には心配してくれたのか、お供え物のように豆腐がちょこんと置いてあった。初の推しの手料理、泣きながら食べました。あんな醜態を晒しておきながら更に顔を合わせなければいけない現実に目を背けたくなったのもまた事実。
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『すみません、お待たせしました』
兵助「A。そんな待ってないよ、行こうか」
『はい……』
なに今の、待ち合わせ中のカップルじゃん。やばい刺される。痛くしないで。実際いるのは何でもないただの忍者のたまごの先輩と後輩だよ。
あの日の夜、兵助は事の詳細をわざわざ長屋の前まで伝えに来てくれた。医務室と違って二人きりだったからしんどかった。多分終始足が震えてたと思う。
今日はその二日後、課題実行の日。待ち合わせ場所──学園の門まで行くと既に兵助は着いていた。これでも十五分くらい早く来たつもりだったんだけど待たせてしまって申し訳ない。
「あっれ、久々知くんとAちゃん。珍しい組み合わせだね。お出かけ?」
『小松田さん』
へっぽこ事務員でお馴染みの小松田さん。本日は門の掃除をしていた。
兵助「課題に付き合ってもらうんです。はい、これ俺とAの外出届けです」
小松田「はぁい確かに。Aちゃんが男の子の隣に並んで立ってるなんて、ちょっと前までなら想像も出来なかったよ。委員会に入っただけでも驚きなのに」
『ハハハ……』
私だって想像もしなかったよ、推しの課題の為に一緒に出かけるなんて。正直めちゃくちゃ緊張してるけど、どこから刺されるかの方が心配。
小松田「じゃあ遅くならないように気をつけてね」
兵助「ありがとうございます」
『いってきます』
小松田「いってらっしゃーい」
振り返ると小松田さんが門の中へ戻るところですっ転んでいた。相変わらずへっぽこというか不運というか……
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黒糖さまでーす - かすてらさん、わかります自分もニヤけてます。 (2023年3月5日 23時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま…子ども向けアニメなのにニヤけちゃう… (2020年9月5日 12時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 一般人Nさん» へへ、ありがとうございます。告白されたの初めてなので嬉しいです*˙˙* 雑渡さん出ます!話の順番的にもう少し後なんですがめちゃくちゃ出てくるお話があるのでそこまでお待ちいただければと思います……!> < (2020年2月24日 21時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
一般人N - 初コメ失礼します!大好きです付き合ってください!(( 個人的に雑渡さんが好きだから雑渡さん出してくれると嬉しいなぁ…なんて思ってます!できればで良いので、無視してもらっても構いません!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2020年2月24日 16時) (レス) id: 3767b6257a (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - リリイさん» コメントありがとうございます!本編ではファンタジー要素を入れる予定は無いので本編終了後、番外編などで書ければと思います。素敵なアイデアありがとうございます^ω^ (2020年2月24日 8時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年12月22日 23時