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仙蔵｢クク……A、お前面白い奴だな｣

『エッ……それはどうも？……ﾝﾋｯ！』



仙蔵が吹き出すのは意外だった。仙蔵に気に入られるのは果たしていい事なのか悪いことなのか。

最後の私の鳴き声は仙蔵に頭をペンペンと叩かれたことによって出たものである。私の頭無事か？イケメンに触られた衝撃で部分的ハゲになってないか？？？

触ってみるとまだフサフサなので一安心。ただ両手で頭を抑えるという妙な格好をしているのは否めない。というかいつの間に隣に来たんだよ。だから後輩相手に本気で気配を消さないでくれ。



長次｢……先日、あの三人が山田先生の女装を見て"自分の方がマシ"、"敵にバレない程上手く化けられる"などと偉そうなことを言っていたのを学園長先生に聞かれ、敵を侮り思い上がってる三人には補習授業が必要だと仰られたそうで｣

土井｢また妙な思い付きを……｣

長次｢私と仙蔵と伊作で審判役をやっていたのです｣

仙蔵｢気味の悪い補習に付き合わされて迷惑なことです｣



仙蔵の言い得て妙すぎる表現に笑いそうになったのを口を抑えて必死にこらえた。

確かにこりゃあ気味の悪い補習だ。実際女装した三人(以下武闘派トリオと呼ぼう)の前で乱きりしんは固まってしまっている。あの距離で見たら尚更気味の悪いことだろう。



長次｢……この補習の採点ポイントは二つ。一つは女装がきちんと出来ているか外見をチェック。もう一つは偶然出会った通行人に"お嬢さん"と呼んでもらうこと｣



という長次の解説を聞いてからもう一度武闘派トリオを見る。

……外見の時点でアウトでしょ？あんなのと道端で出会ったら私絶対気絶する自信ある。会った日にはきっと眠れないよ。世に放っていいのか？



仙蔵｢小平太、歩き方が男だ。一点減点｣

長次｢……留三郎、笑顔が怖い。一点減点｣

伊作｢文次郎、服がはだけてる。一点減点｣



私がそうこう考えている間にも意外と真面目に採点されていく。……これ加点することあるのかなぁ。

乱太郎たちの方へ視線を戻すと、近づいてくる武闘派トリオに完全に怯えきった顔をしていた。ゾンビでも目の当たりにしているかのようだ。



文次郎・留三郎・小平太｢｢｢さあ！！｣｣｣

乱きりしん｢｢｢えっ｣｣｣



果たして、袖をたくし上げて腕を構える、というポーズをしている人をお嬢さんと呼んでいいのか。その顔で迫られてさあ！と言われても恐怖でしかないんだよ。

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