25 モブのひとり会議 ページ28
・
・
・
とある休日、私は一人部屋に籠っていた。プチひとり会議を実施するためだ。
『……よしっ』
帳面から切り取った紙に殴り書いた文字を見つめる。議題は｢この世界でこれからどうやっていくか｣である。
漸く委員会にも慣れて忍たまたち(委員会メンバーだけ)ともなんとか上手くやっていけている私だけど、恐らくこれからアニメで見た話から出てこなかった出来事までも体験することになるだろう。
『これから不運が重なるだろうし、雑渡さんは来るだろうし、園田村には行くだろうし、色んな事件に巻き込まれるだろうし……』
前途多難とはこういうことか。
そして私はこのままでも大丈夫なのだろうか、と思いたった今日この頃。
主人公やメインである一年生たちは無事に入学してきたけどこれから何が起こるか分からない。最悪の事態に備えてやはりモブはモブらしく大人しくしてるのが1番だと思うのだけれど……
……もし、干渉しても問題が起きないなら普通に一生徒としてみんなと過ごしていきたいなぁ……と。後輩は可愛いし先輩はかっこいいのに見て見ぬふりするとか無理。乱太郎たちの頭撫でまくりたいし伊作はガン見したい。
きっと忍たまを知らないただの元JKの私がこの世界に飛ばされたなら言い方はあれだけど八方美人にうまくやると思う。後輩には好かれたいし同学年とは仲良くしたいし先輩には可愛がられたい！私だって元は夢見るJKだもの！！
……この話はやめようか。
そもそも何故私はこの世界に来たのだろう。
平成の頃にあった転生系の小説だと神様の手違いだったりトラ転だったり過労死だったり色々理由があったけど、別に神様に何か言われたわけでもトラックに撥ねられた訳でも過労死したわけでもないのに。そもそも転生なのかトリップなのかすら定かじゃない。私死んだの？
『う〜ん……』
──にゃあ
『お〜？』
外から聞こえた声に思考を停止させる。悩んでたって埒が明かないよね、やめたやめた。そもそも平成に戻れるかすら分かんないし。
戸を開けるとまだら模様の子猫が入ってきた。
『これからどうすればいいんだろうねぇ』
──にゃ？
『お前に言ってもわからないか』
──にゃーん
『可愛いなあお前』
理解しているのか否か。タイミングよく返事をする猫をしばらく撫でていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 764人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
虎目石(プロフ) - とても面白いです。私もこんな素敵な作品が書けるようになりたいです。 (2022年8月9日 12時) (
レス) id: 4030c44317 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま！キャラの名前ちゃんとおぼえてないから見直そ…笑 (2020年9月3日 21時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
相良(プロフ) - 蒼葉碧さん» いつもニヤケながら拝見させていただいてます、応援してます〜！！ (2020年8月30日 7時) (レス) id: 438ba08767 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 相良さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますヽ(^0^)ノお気づきの通り、最初にこちらに投稿してそれを加筆修正したものをpixivの方に投稿しています´`* (2020年8月29日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
相良(プロフ) - もしかしてpixivにも投稿されていますか！？大好きです！！！ (2020年8月29日 21時) (レス) id: 438ba08767 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2019年9月23日 10時
