●19 モブの知らぬ小噺その2 ページ20
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六年生が話し込んでいた同時刻、五年生もまたひとつの部屋に集まって何やら話し込んでいた。
雷蔵｢へえ、くのたまがねえ｣
勘右衛門｢そんな話どっから聞きつけてきたんだよ｣
三郎｢さっき六年が話してるのが聞こえた｣
兵助｢それ聞いたんだろ｣
話題はやはり鉢屋三郎が六年長屋で聞いてきたというくのたまの彼女のこと。彼らもまたほぼ見かけたことの無い彼女に興味を持っていた。
勘右衛門｢あの子何回見た事ある？俺入学式だけ｣
雷蔵｢僕も｣
竹谷｢俺もだ｣
兵助｢俺は……二回かな。入学式と去年。多分授業で使った火薬を戻しに来たところで後ろ姿だけ少し｣
三郎｢私は三回。入学式とAが一年の時と去年｣
勘右衛門｢兵助はともかく三郎はなんでそんな見かけてんの？｣
三郎｢変装用の面を作るために顔を見たくて追ったんだ。結局撒かれたけどな。それが二回目。去年は本当にたまたま後ろ姿だけ｣
勘右衛門｢なるほど。てか面作れてもお前の体格じゃあの子の変装は無理でしょ｣
三郎｢うるさい｣
竹谷｢三郎の尾行を撒くとは中々やるな｣
雷蔵｢彼女、どんな風に成長してるんだろうね｣
兵助｢背が小さくて髪が長かったのは覚えてるんだけど｣
勘右衛門｢女は数年で化けるって聞くからなー。どうなってるか楽しみだ｣
元服もまだだと言うのにオヤジくさい発言をする友人に冷ややかな視線を飛ばした。
兵助｢……もし委員会の話が本当ならうちに入ってくれないかな。人手不足だから助かるんだけど｣
竹谷｢俺んとこも。今度の一年が何人入ってくるかで変わるけどなぁ｣
雷蔵｢代理は大変だね｣
三郎｢今どっちの委員会も2人だけか｣
兵助｢ああ、先生の手も借りてなんとか｣
竹谷｢孫兵が入ってきてから大忙しだよ｣
三郎｢私たちのところには絶対入ってこないな｣
勘右衛門｢くのたま一人で学級委員長もなにもないもんな。残念だけど｣
まだ新一年生が入学してきていない今日。
先代の委員長が卒業して委員長代理となった二人はとにかく人手が欲しくまさに喉から手が出るほど、という状況だったり。
学級委員長の二人は分かりきっている結果に片や残念がっていたり、片やどうでもよさそうだったり。一人はそんな彼らを見守っていたり。
仲のいい五年生も三者三様ならぬ五者五様なのだった。
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虎目石(プロフ) - とても面白いです。私もこんな素敵な作品が書けるようになりたいです。 (2022年8月9日 12時) (
レス) id: 4030c44317 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま！キャラの名前ちゃんとおぼえてないから見直そ…笑 (2020年9月3日 21時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
相良(プロフ) - 蒼葉碧さん» いつもニヤケながら拝見させていただいてます、応援してます〜！！ (2020年8月30日 7時) (レス) id: 438ba08767 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 相良さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますヽ(^0^)ノお気づきの通り、最初にこちらに投稿してそれを加筆修正したものをpixivの方に投稿しています´`* (2020年8月29日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
相良(プロフ) - もしかしてpixivにも投稿されていますか！？大好きです！！！ (2020年8月29日 21時) (レス) id: 438ba08767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2019年9月23日 10時
