●18モブの知らぬ小噺 その1 ページ19
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乱太郎たちが入学してくる前日、六年生はある噂に耳を傾けていた。
文次郎｢くのたまが委員会に参加ぁ？｣
仙蔵｢ああ、先程耳にした｣
くの一教室に唯一在籍するくのたま、AAが今年度から委員会に参加するかもしれないという旨だった。
長次｢……何故そんな急に｣
仙蔵｢大方学園長の突然の思いつきだろう｣
留三郎｢だろうな｣
学園関係者なら誰にでも心当たりのある、学園長の迷惑な突然の思いつき。噂が本当であるならば今回唯一の被害者である彼女を皆が哀れむだろう。
留三郎｢A、だっけか。あいつの入学式以来姿を見かけてないんだが｣
文次郎｢そう言われてみればな｣
小平太｢そうか？私は気にしたことないな｣
仙蔵｢……私も気になっていたんだ。AAが何故姿を見せないのか｣
彼女の代──現四年生の入学式、くの一教室が新設された年のくのたま第一号ということもあって当然彼女は注目の的となった。浅葱色、青、萌木色……と並ぶ端にポツンと暗めの桃色という視覚的にも目立つ状況だから尚更だ。
彼女から上の学年、つまり現在の四年・五年・六年の忍たまはその時に一度。あとはその内わずか数名が学園生活で数回たまたま見かけたくらいで、普通に生活していて彼女を見かけることは無かったらしい。下級生たちはもしかしたら一度も見かけたことの無い奴もいるかもしれないくらい、姿を表さないのだ。
伊作｢単に僕らと一緒に活動することがないからじゃない？授業も別だし、それこそ今まで委員会もなかったんだから｣
仙蔵｢しかし普通なら見かけるはずなんだ。風呂はあちらの長屋にあるだろうが図書室や食堂は合同のはずだからな｣
留三郎｢確かにそう考えると不思議だ｣
小平太｢辞めてしまったんじゃないか？｣
仙蔵｢それはない。あちらの長屋近くに行けば姿は見かけずともそれらしき気配を感じる｣
小平太｢そうかぁ｣
伊作｢第一号ってこともあって山本シナ先生と試行錯誤しつつ頑張ってるのかもよ｣
文次郎｢そうかもな｣
小平太｢そのくのたま強いと思うか？｣
伊作｢こらこら、相手は女の子だよ｣
文次郎｢女だろうがくの一になる身だろ。強いなら手合わせしてみたいところだ｣
小平太｢私も！｣
伊作｢小平太は絶対怪我させるからダメ｣
小平太｢え〜｣
あくまでただの噂と特に気にする様子もなく流すように話していた。ただ、口に出さないだけで皆内心楽しみにしていたのは間違いなかった
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虎目石(プロフ) - とても面白いです。私もこんな素敵な作品が書けるようになりたいです。 (2022年8月9日 12時) (
レス) id: 4030c44317 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま！キャラの名前ちゃんとおぼえてないから見直そ…笑 (2020年9月3日 21時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
相良(プロフ) - 蒼葉碧さん» いつもニヤケながら拝見させていただいてます、応援してます〜！！ (2020年8月30日 7時) (レス) id: 438ba08767 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 相良さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますヽ(^0^)ノお気づきの通り、最初にこちらに投稿してそれを加筆修正したものをpixivの方に投稿しています´`* (2020年8月29日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
相良(プロフ) - もしかしてpixivにも投稿されていますか！？大好きです！！！ (2020年8月29日 21時) (レス) id: 438ba08767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2019年9月23日 10時
