第九話 ページ10
【夢主side】
三日月さんが小狐丸さんを連れて五条の刀だという鶴丸さんの部屋に行こうとした時だった。
｢三日月どの｣
小狐丸さんはなぜか三日月さんを引きとめた。
名前？
さっき覚えましたよ。
意外と人の顔と名前を一致させるのは得意なんです、私。
「ここで待ちましょう。」
なぜか確信をもった声。
「どうした、小狐丸よ。」
不思議そうに聞く三日月さん。
｢どうやらあちらから来てくれるようですよ。｣
｢おお、そうか。｣
三日月さんはこのやり取りだけで部屋に戻ってきた。
そして、かすかにこの場に緊張感が走る。
なにかあるのだろうか。
それとも、その鶴丸という刀剣男士には何かあるのだろうか。
事態は突然起こる。
バンッ！
目の前で大きな音がし、埃っぽい風が迫ってきた。
よく見てみるとそこだけ畳がなくて、なぜか真っ白な人間がいる。
その人物はにかっと笑った。
そして、
「どうだ、驚いたか！！」
とこれまたよく通る声で叫んだ。
そんなきゃしゃな体のどこからこんな声量が出てくるのだ？
｢…｣
驚いたか、と言われましても！
私、さっき心臓止まりかけましたよ？
死んでたらどうするんですか！
よし、開口一番そう言ってやろう。
と思ったが…
サラサラそうな銀色の細い髪。
すっと筋の通った首。
着物の襟もとからのぞく鎖骨。
例外なくあり得ないほど整ったやんちゃそうなきれいな顔。
そして、美しいレモン色の透き通った瞳。
待った。
これはダメだろ。
反則だ。
彼は今剣君や、岩融さんにいろいろ言われていて、そのたびにコロコロと表情を変える。
人間とはこんなに感情表現が得意な生き物だっただろうか。
｢…俺と話したい奴？｣
いろいろと考え事をしていると、彼、鶴丸さんはすっとその美しい目を細めて私を見た。
「それは、君のことかい？」
警戒心にあふれかえった声。
その中に、ほんの少しだけ好奇心が見え隠れしている。
「はい」
素直に返事をすると、
｢こりゃ驚いた｣
と私を嘲笑した。
そして、片膝を立て、片手を床につき、もう片方の手で自身の前髪をクシャリとつかむと、彼はいっそあでやかともいえるような光をたたえた目で私と目を合わせた。
｢まさか前の審神者を処分した俺と話したいという人間がいるなんて、こりゃ驚きだ。｣
その瞳は少しの憂いとぞっとするような冷たい炎を宿していた。
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愛羅♪(プロフ) - 夜桜 野風さん» コメントありがとうございます！私も同情する審神者はあまり好きじゃないです。正直にお答えいただきたいんですけど…。同情、しちゃってますかね？一度読者様に聞いてみたいことだったのでお答え頂けるととても嬉しいです！ (2018年3月18日 16時) (
レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 野風 - 痛みは怪我してるその子しか味わえないのによくある審神者が「いたかったね」って言ってる同情パティーン正直嫌いなんですけど…これは大好きです!応援してます! (2018年3月18日 10時) (レス) id: b4813fd3d3 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 野風 - あ、これ好みです。(唐突)夢主さんヤバイですね…(色々と)他のと違って良いです!! (2018年3月18日 10時) (レス) id: b4813fd3d3 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅♪(プロフ) - 琴葵さん» ありがとうございます。一回訂正してみますね。更新頑張ります！ (2018年1月16日 14時) (レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 更新お疲れ様です！審判者…あながち間違ってはおりませんが、刀剣乱舞の世界での主は審神者と書いてさにわ、と呼ばれております。一度訂正してはいかがでしょう。審判者ですと色々と意味が違ってきますので…ストーリー展開面白いと思います！更新頑張ってください。 (2018年1月16日 8時) (レス) id: 905678d174 (このIDを非表示/違反報告)
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