第三十一話 ページ33
【夢主side】
｢あの女が最も恐れていた人間。
政府の役人よりも、誰よりも、ね？｣
そう言いにこりと笑う加州さん。
｢どういうことですか？｣
私はそう聞くのが精いっぱいだった。
いろいろ聞いた。
私があの女と呼ばれるここの元主に怖がられていたと。
けれど、誰もその理由は言わなかった。
どういうことなのか、教えてほしい。
｢俺にはこたえられないよ。｣
加州さんは、そういった。
わけを知っているくせに…
その余裕ぶった口調は、大人が子供に知っていても秘密にしたいことがあるときに使う口調だ。
けど、それを追い求めたら、腹が立つ一方だって、私は知っている。
｢じゃあ、誰やったらこたえられるんですか。」
でも、知りたいことを知りたいときはもう止まらない。
｢なに必死になってんの？自分のことがそんなに知りたいの？｣
加州さんは私をあざ笑う。
｢知りたいに、決まってるやないですか｣
ああ、私は子供だ。
絶対に答えてくれないことを分かっているのに、抵抗して聞いてしまう。
｢わけもわからんうちにここに連れてこられて。
それが普通に“審神者になれ”ならこんなに知りたいとは思わんかった。
けど、私が連れてこられたのはブラック本丸。
人間を信じられなくなってしまった刀剣の神々が住まうところ。
そこで、刀剣男士達の“人間を信頼する心”を取り戻すには、多大なる霊力が必要だって、そんだけの霊力を私は持ってるなんて突然言われて、だれが納得できるっていうんですか？｣
とまらない。
周りの刀剣男士達は黙って私を見つめる。
｢なんも知らん世間知らずの十六の現代っ子が、ごく普通に学校に行って、友達と話して、勉強してってしてる、そんな日常を思いっきり引き裂かれて。
そんな、なんも知らんことに納得できると思いますか？
自分の知らんこと言われて、自分の知らんとこに連れてこられて。
そんな中、私が知らないと思うことを知りたいと求めるのは間違ったことなんですか？｣
鶴丸さんと目があった。
三日月さんと目があった。
岩融さんと目があった。
石切丸さんと目があった。
今剣君と目があった。
小狐丸さんと目があった。
薬研君と目があった。
｢…私は、自分でいうのもなんですけど、恨みや妬み、憎しみとは無縁の場所で生きてきた。
そんなん、殺意とかなんてもってのほか。
全く関わってきた私が、今までとは逆に、そんなんが満ち溢れてる所に連れてこられて。」
私はまっすぐと加州さんを見る。
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愛羅♪(プロフ) - 夜桜 野風さん» コメントありがとうございます！私も同情する審神者はあまり好きじゃないです。正直にお答えいただきたいんですけど…。同情、しちゃってますかね？一度読者様に聞いてみたいことだったのでお答え頂けるととても嬉しいです！ (2018年3月18日 16時) (
レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 野風 - 痛みは怪我してるその子しか味わえないのによくある審神者が「いたかったね」って言ってる同情パティーン正直嫌いなんですけど…これは大好きです!応援してます! (2018年3月18日 10時) (レス) id: b4813fd3d3 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 野風 - あ、これ好みです。(唐突)夢主さんヤバイですね…(色々と)他のと違って良いです!! (2018年3月18日 10時) (レス) id: b4813fd3d3 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅♪(プロフ) - 琴葵さん» ありがとうございます。一回訂正してみますね。更新頑張ります！ (2018年1月16日 14時) (レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 更新お疲れ様です！審判者…あながち間違ってはおりませんが、刀剣乱舞の世界での主は審神者と書いてさにわ、と呼ばれております。一度訂正してはいかがでしょう。審判者ですと色々と意味が違ってきますので…ストーリー展開面白いと思います！更新頑張ってください。 (2018年1月16日 8時) (レス) id: 905678d174 (このIDを非表示/違反報告)
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