*どうやって攻略しようかな?【モツside】 ページ37
今日から旅行。
僕たち頑張ったもん。
それに、歌苗には本当にお世話になっているから、どうにか日々の疲れをいやしてほしい。
バスから降りると少し潮の香りがする風が僕の髪を揺らす。
「ん〜、やっと着いたねえ。」
僕は伸びをしながらつぶやく。
最初の予定とは違い、浜松から名古屋まで電車で行き、そこからまた電車で揺られること数時間。そして、終点の駅で降りてそこからバスで長い間揺られる。
財布の口が堅い歌苗は最初の移動手段を聞いた瞬間猛抗議した。まだお風呂場の修理のことを考えているみたいだ。
時間がかかるけど堅実な手段。やっぱりそこは旅行に行けることが決まって浮かれていてもしっかりとした大家さんだ。
「さあ、ホテル行きますよ〜!」
「「「「「はーい!」」」」」
どこかの旅行会社のように、歌苗の案内に素直について行く僕ら。
案内、できたらよかったなぁ。
僕がため息をつくと、横のルー君が「どうした」と聞いてきた。
「いやぁ、計画立てたからには案内したかったなぁって思って。」
「確かにそうだな。」
ルー君はいつも以上にそっけない。
きっとルー君には歌苗にあの『熱情』の演奏に込められた思いが伝わってないように見えるからだろう。
僕は知っている。
て言うか、分かっちゃったんだよ。
ルー君、勘違いしないで。
僕達の思いは確実に伝わってるよ。
だからこそ歌苗は気丈にふるまっていることくらい、鈍感な奏助と、歌苗以外は気付いている。
歌苗は自分でも気付かないくらい、気丈にふるまうことになれている。
そんなのに慣れた十七歳なんていなくていい。
歌苗。
僕にだけその本性をさらけ出してよ。
僕は歌苗がどう思っていようと、受け止められる覚悟はしている。
そこまで僕、心が狭いわけでもないし?
たとえ歌苗がルー君のことを好きになっちゃっても、きっと応援
…できるのかな。
つらい現実は受け入れてきたつもり。
理不尽でも、受け入れてきたつもりだけど、今でも受け入れきれるのかな…。
僕が僕自身でもわからなくなってくる。
僕の心に、不安がもやもやとした煙のようにまとわりついて離さない。
もし歌苗がルー君の彼女になったら…
僕は経験上分かっている。
こういうことほど、現実におこるものだって。
僕はホテルの部屋に着くなり、ベットにダイブした。
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ヒメちゃん - モツはかわいいし、ベトはなんかツンデレ。なんかたまらないわ。クラシカロイド。(* ∀ *) (2018年9月23日 15時) (レス) id: 5f6a8c1781 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅♪(プロフ) - あんころもち(●´ ∞`●)さん» ありがとうございます!楽しみにしていてくださいね〜!ズバリお聞きします!誰推しですか? (2017年8月20日 20時) (レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち(●´ ∞`●) - うおおおお! なんていい子なんだモツはーーー!! ますますモツが好きになりました! 続編楽しみにしてます! (2017年8月20日 18時) (レス) id: 71908c4cef (このIDを非表示/違反報告)
愛羅♪(プロフ) - あんころもち(●´ ∞`●)さん» さあどうでしょう!これからも楽しみにしていただけたらとてもうれしいです! (2017年8月19日 21時) (レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち(●´ ∞`●) - これってベト落ちですか?? あっ ネタバレになるならいいです!おもしろいので毎日楽しみにしています! (2017年8月19日 17時) (レス) id: 71908c4cef (このIDを非表示/違反報告)
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