*Let's ショッピング!2【ベトside】 ページ15
「あるわ」
そういったリストの言葉は俺の中の何かを震わせた。
**********
翌朝、俺とヴォルフはリストに連れられてショッピングモールとやらに来た。
リストに服を選べと言われても、インスピレーションが湧かない俺の傍らで、ヴォルフは楽しそうに服を次々と選んでいく。
こいつのひらめきの早さは現代でも存命か。
「りっちゃん。どう?僕、かっこいい?」
試着室の前でそう言ってきらきらとした瞳をリストに向けるヴォルフ。
白に紺色のラインが入った半そでのシャツ。その下は同じ紺色のズボン、首にはきらきらとした紺色のひもをダイヤのようなきらきらとしたものでまとめた首飾り。
そして、ヴォルフのピンク色の髪が暗い色の服に映えて、どこか夜を思わせるような格好だった。
「髪を下してちょっと待ってて」
リストはヴォルフにそう言って、紺色のベストを持ってきた。
また紺色の服にヴォルフの下したピンク色の髪が美しく映えて。
一瞬小娘のことが頭をよぎった。
こんなヴォルフを小娘が見たらきっと俺なんかがどう挑んだところで勝ち目はない。
どこかの国の王子の軽装。そうたとえるのがぴったりなヴォルフの姿は男の俺が見てもかっこいいと思った。さらに、ヴォルフはアイドルになってみないかといわれるほど顔が良い。
これが経験の差、というものか。
響吾はこのことも考慮して俺たちを作ったのか。
嫉妬せざるおえなかった。羨望せざるおえなかった。
どうしてヴォルフはこんなに恵まれていて、俺はこんなにもみじめなのだ。
音楽で差があることは否めないし、俺だってヴォルフに憧れていたし、今も憧れる。本当はヴォルフの弟子になりたかった。そして、ヴォルフのレクイエムを書きたかった。
けれど、今、この瞬間は違う。
恋愛偏差値が高くないことは自負している。けれど、小娘だけは、譲れない。
だから、俺は嫉妬する。
そして、そのどろどろとしたものの中からインスピレーションを掻き立てる。
そのまなざしを真正面から受け止められようと関係ない。
ヴォルフは今は夜の王子だ。
それすなわち、ヴォルフの格好は子供っぽい。
ならば、俺はあでやかに攻めるまでだ。
「リスト、手を貸してくれ。」
リストは嬉しそうに微笑み、
「恩は今、返すわ」
と二つ返事で了承してくれた。
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次はベトがあでやかに変身します!
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ヒメちゃん - モツはかわいいし、ベトはなんかツンデレ。なんかたまらないわ。クラシカロイド。(* ∀ *) (2018年9月23日 15時) (レス) id: 5f6a8c1781 (このIDを非表示/違反報告)
愛羅♪(プロフ) - あんころもち(●´ ∞`●)さん» ありがとうございます!楽しみにしていてくださいね〜!ズバリお聞きします!誰推しですか? (2017年8月20日 20時) (レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち(●´ ∞`●) - うおおおお! なんていい子なんだモツはーーー!! ますますモツが好きになりました! 続編楽しみにしてます! (2017年8月20日 18時) (レス) id: 71908c4cef (このIDを非表示/違反報告)
愛羅♪(プロフ) - あんころもち(●´ ∞`●)さん» さあどうでしょう!これからも楽しみにしていただけたらとてもうれしいです! (2017年8月19日 21時) (レス) id: 79571655d4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち(●´ ∞`●) - これってベト落ちですか?? あっ ネタバレになるならいいです!おもしろいので毎日楽しみにしています! (2017年8月19日 17時) (レス) id: 71908c4cef (このIDを非表示/違反報告)
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