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四つある椅子のうち、いつも俺が座っているやぶくんの正面じゃなくて隣に座ると

「なんで隣くるんだよ」

ちょっと嫌そうな顔をされた

「いいじゃんたまには。はい、みかん」

冷たい態度にめげずに、というか知らんぷりしてネットから出したみかんを渡す

ありがとう、と言って皮を剥き始めたやぶくん

それに倣って俺も一つ手に取って皮を剥くとみかんの香りが鼻をかすめる

「っていうか、やぶくん今日みかん食べるの何個目?」

「んー、わかんない」

「やっぱ、だめ。没収です」

とぼけるやぶくんの手から剥きかけのみかんを奪おうとしたが避けられて、失敗

昨日の夜の時点で4つくらい残ってたはずなのに、もう無くなったなんておかしいと思ったんだよ

「食べすぎたらお腹壊すよ」

「それもひかるに怒られ済みです」

「もう、全然反省してないじゃん」

結局、みかんの奪い合いをした後、半分だけ食べるということで落ち着いた

残ったあと半分はもちろん、俺が食べる

「クリスマス辺りにバイト入れた?」

少しの間、お互い無言でみかんを食べていたら
そういえば、という感じで言葉を発したやぶくん

「入れてないよ」

大事そうにゆっくりみかんを食べているやぶくんの手元には残り少し

クリスマスの予定を聞いてくるということは
これはもしや、一緒に過ごそうというお誘いですか?

やぶくんの方からこういうお誘いとかデートの提案とかしてくることなんてかなり珍しいから思わず頬が緩む

「いのおがクリスマスパーティーやろうって」

「えっ、」

パーティーっていうことは、二人っきりじゃないの?
いのおさんがいるってことは、少なくともひかるさんもいるだろうし

返してくれ、さっきまでのワクワク

まだ具体的には何も考えてないけど、二人で過ごすってことは決めてたのに
自分の中で勝手に決めたことだけど

理想と現実ってやつ?


「行きたくないならそれでいいけど」

俺の心の中を知ってか知らずか選択権を与えてくれるやぶくん

でも、行きたくないとは言えないでしょ

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名無し84745号(プロフ) - 凛花さん» コメントありがとうございます。感想が聞けてすごく嬉しいです! (2019年4月13日 12時) (レス) id: 8ba8fca067 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵でした!ゆとやぶ大好きなので書いてくださり本当に有り難いです…! (2019年4月12日 21時) (レス) id: d67589c485 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し84745号 | 作成日時:2019年2月3日 23時

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