恋路は二人で歩きたい2 ytyb

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両手にスーパーの袋を提げたままマンションのエレベーターが降りてくるのを待つ

今からやぶくんの家に行って、ご飯作って、その前に片付けしないといけないかな

昨日確認したときはこたつの周りが結構散らかってきてたし


仕事はちゃんとしてるみたいだけど、もちろんこたつで

そのせいでティッシュやらゴミ箱やら電気ケトルやらの日用品に混ざって仕事関係のものも散乱しているから勝手に掃除ができない


今日一緒にやってもらおう

はぁ、クリスマスなんてキラキラしたイベントなんてほど遠い

いっそのこと近いうちに大掃除をやった方がいい気がしてきた


ガタンと目の前の扉の向こう側で音がして、左右に扉が開く

「あ、」

ちょっと特徴的な声がして、エレベーターから下りてきたのは

「久しぶり」

「お久しぶりです。ひかるさん」

驚いた顔をしてすぐににこやかになったひかるさん
前に見たときと髪色が違う気がする
りょーすけと同じタイプの人なのかな

「学校終わったの？ ちゃんと勉強しててえらいねー」

なんて小さいことでも褒めてくるから照れくさい

「そんなことないですよ。ひかるさんはやぶくんに用事ですか？」

「そうそう。ちょっと近くまで来たからだらけてないかチェックしにきた」

少し呆れたような表情をしているひかるさんの心中はお察しする

「そうだったんですか。それで、あの生活はもちろん合格じゃないですよねー」

「当たり前だろ。一日中ダラダラ、ダラダラしてるみたいだし」

「ですよねー」

どうしたらいいでしょう、という意味も含めてひかるさんに同意の相づちを打つ

「さっき色々口うるさく言ってきたから、今はたぶん真面目に掃除してるはず」

さすが、15年近い付き合いしてるだけあるよね
俺もやぶくんを動かす技を修得したい

「ゆうとからも言ってやってよ。俺が言うよりも効果あると思うよ」

なんてひかるさんは言っているけど、やっぱりまだその辺りは遠慮してしまうから強くは言えないのが現実

「年齢とか関係ないからさ、ガツンと言っちゃえよ」

「ガツン、ですか」

「そうそう。いっそのこと、これ以上だらけるんだったら別れる！ くらいのこと言ってもいいと思うけどね」

結構過激なことを言うひかるさんに思わず苦笑い
さすがにそこまで言えないけど

「頑張ってみます」

「がんばれー。どうしようもないときは俺に連絡して」

励ますように俺の肩にポンと手を置きひかるさんは足早に行ってしまった

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