早朝 ページ39
隣でモゾモゾ動く気配がして目を覚ますと、眼前にはゆうとのどアップ
「あ、おはよー」
起こしちゃった？ ごめんねと言いながらも嬉しそうに笑ってやがる
「おはよう」
段々と冴えてきた頭
あれ？ ゆうとのこと泊めたっけ？
そもそも昨日は家に来た記憶もない
ちょっと寂しいなーと思いながら寝た覚えがある
「昨日泊まったっけ？」
首元に顔を埋めてすりすりしている犬みたいなやつに尋ねると、顔を上げて
「泊まってないよ」
とあっけらかんに言い放つ
「は？ 今何時？」
ゆうとに起こされるまで眠っていたとなると相当寝過ごしてるんじゃないのかと特に予定があるわけでもないのに焦る
「5時半だよ」
「え、夕方の？」
「そんなわけないじゃん。朝の5時半」
だから、もう少し寝てていいよーと自分の胸元に俺の頭を引き寄せてゆっくり撫で始める
いやいやいや、なに何事もなかったかのように寝かしつけようとしてるの？
「不法侵入感がハンパない」
ぼそっと呟いた言葉はばっちりゆうとに聞こえてたらしく
「ちゃんと鍵使って入ったから大丈夫でしょ！？ やぶくんが鍵渡してくれたじゃん。合意の上でしょ？」
なんか真面目な顔して必死で喋るからおかしくなってつい笑ったら
「もーいい」
拗ねちゃって顔を枕に押し付け、動かなくなった
いつも余裕そうで堂々としているゆうとだから、たまにこういう姿を見るのも悪くない
普段はゆうとに押され気味で主導権を握れないからこういう状況はありがたい
一応言っとくけど、まだ立場逆転は諦めてないからね
特に最近はやっと色恋に関する耐性が戻りつつあるから頑張れば望みはあるはず
「怒んなよー」
恐らくさっきまで寝癖がついていたであろう髪の毛の指を通す
家から出ることはほとんど無いって分かっているはずなのにゆうとは毎回ちゃんとした格好でやってくる
今日だっていつもより少しラフだけど、俺がコンビニに行くときの服装より何倍もちゃんとしてる
朝早いのにな、いったい何時に起きたのだろうか
「怒ってないもん」
と、まあ怒った人がよく言うセリフが戻ってきたところで、一番気になってることを聞いてみる
「何でこんなに朝早いの？」
「昨日、会えなかったから」
顔を枕に伏せたまま喋るから篭った声がこちらに届く
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名無し84745号(プロフ) - 凛花さん» コメントありがとうございます。感想が聞けてすごく嬉しいです！ (2019年4月13日 12時) (
レス) id: 8ba8fca067 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - コメント失礼します！凄く素敵でした！ゆとやぶ大好きなので書いてくださり本当に有り難いです…！ (2019年4月12日 21時) (レス) id: d67589c485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し84745号 | 作成日時：2019年2月3日 23時
