恋路は二人で歩きたい2 ytyb

3月の晴れの日 ページ28

これでどうだ！

全体のバランスを確認するために一歩下がって鏡の中の自分を確認する


結局髪型はいつもと同じセットが一番落ち着くな

真面目風に七三分けにしてみたり、気合いが入りすぎてるりょーすけみたいにしてみたり、セットしては崩しを繰り返して一時間弱、そろそろ家を出ないと

振り返って後ろもチェックする
イケてる？ 変じゃない？


今日は特別な日なんだからちゃんとしておきたい
いつもちゃんとしていないわけではないけど

かっこいいって言ってくれるかな
さすがにそこまで素直にはなってくれないかな

今から会うやぶくんの顔を想像しながら洗面所を後にする


自分の部屋に戻り、昨日の夜から準備しておいた鞄を手に取ってもう一度忘れ物が無いかチェックする

といっても、財布とスマホさえあれば特に問題無い



1年前の今日やぶくんに告白した

つまり今日は付き合って１年目の記念日

そういうわけで、ちょっと良いホテルのディナーを予約した


本当は泊まれたら一番良いけど宿泊費を二人分出すのは中々厳しいのが学生の懐事情

やぶくんに言えばきっと出してくれるんだろうけど、今回の計画はなにしろサプライズなもんですから言えませぬ

かっこつけたいじゃん


超一流‼ ってほどではないけど、この辺では一番のホテルだからそれなりにちゃんとした服装じゃないといけなくて、そういう格好のことをネットで調べたらセミフォーマルっていうらしい

シャツに、ジャケットに、スラックスにと悩みに悩んでどうにか形になり最初の関門は突破って感じ


腕時計を見るともう４時過ぎ
予定時刻過ぎてる

ディナーの予約は７時からだから時間に余裕あるじゃんとお思いだろうが

これからやぶくんのところに行って、
記念日オメデトー的なこと話して、
サプライズで夕飯行きましょうと誘って、
たぶんめんどくさがるやぶくんのことを着替えさせるという大仕事がある


「急げ、急げ」


自分を急かしながら玄関へと走る


靴を履いて、最後にもう一度玄関にかかってる姿見で全身を確認してから家を出た

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