恋路は二人で歩きたい2 ytyb

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こたつの卓上にはプルタブが開いているお酒の缶が3つ、開いていない缶も3つ
少なくとも2缶は飲んだってことか

ということは、

「ここ座って」

ソファの上で寝室から持ってきたであろう毛布にくるまり、ぱしぱし隣を叩くやぶくん

言われた通り隣に座ると満足そうに笑って
ごろん
俺の膝の上に頭を乗せてきた

やっぱり、いい感じに酔っぱらってるー！

今まで何度かやぶくんが酔っぱらってるところ見てきたけど気分よく酔ってるときは、ちょっぴり可愛くなっちゃう

二人きりのときならばそういうやぶくんは大いにウェルカムだけど、他の人がいる前でも甘くなるのは少々困る

でも今日は二人きりなので思う存分楽しみましょう！


「飲んでるの珍しいね」
「ん、ゆうと来ないと思ったから」


いつにも増してふにゃふにゃ笑顔

やぶくんに下から見上げられるとちゃんと俺に心を開いてくれているんだなって安心する


そろそろ付き合ってから一年
初めはゆっくりだったけどちゃんと恋人らしくやれている

最近じゃあ年の差もあまり気にならなくなった
と俺は思ってる


「じゃあ、俺が来て嬉しいでしょ？」
「うれしい」


いつもなら、調子に乗るなと照れ笑いで誤魔化されるところを素直に答えてくれる

お酒の力ってすごい
俺はまだ飲めないけど


寒いのか毛布を口許まで引き上げたやぶくんは何か言いたそうな目でこっちを見てきた

普段なら絶対にそんな表情見せてくれない


「何か言いたいことあるでしょ？」
「んー」
「言ってよ」
「大人っぽくなったね」
「ほんと！？」


やぶくんが下から手を伸ばしてくるので顔を少し近づけたら頬を撫でられた

大人っぽくなったと言われるうちはまだまだ子供ということだけど、それでも嬉しい


早くちゃんと大人になってやぶくんが頼ってくるような存在になりたい

今みたいに酔っているときだけ甘えられるのではなく、いつ何時でも全てを委ねられると思わせるような頼もしさがほしい


「かっこいいよ」


まぁ、でも今は年下という立場を楽しむのも悪くないかなって

さすがに照れてるのか鼻が隠れるところまで毛布を引き上げ、目だけ見えてるやぶくんを見てそう思った

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