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「さっきから何?」
車から下りて鳥居に向かって歩いていると隣からやたらと視線を感じる
なんでもないよと首を横に振るゆうと
その顔は絶対になんでもないわけがない
けれど、教えてくれる気配はしないので諦める
しばらくするとまた視界の端にこっちをチラチラ見てくるゆうとが映る
そんな見られたら気になるだろうが!
「まじでなんなの!? 俺の顔になんか付いてんの?」
道端で立ち止まって問い詰めると、
「やぶくんに触りたい」
なんて恥ずかしいこと真顔で言う
とりあえず誰かに聞かれてないかと思いぐるりと周りを一周見渡した
声が聞こえる範囲内には誰もいなくて一安心
「煩悩にまみれてるなー」
少しだけリクエストにお答えして頭をわしゃわしゃしてやると
まぁ、それはそれは嬉しそうな顔をする
ほんとゆうとが単純なヤツで良かったなと最近つくづく思う
今まで大きな喧嘩に発展したことがないのもゆうとが素直で単純なおかげ
昔はよく恋人と喧嘩していた
もっとああしてほしいとかこうしてほしいとか徐々にハードルが高くなっていき、
俺がそのハードルを越えられなくなってしまうのが喧嘩の原因になることも多かった
でも、ゆうとが俺に置いていくハードルはずっと低いまんま
手先も不器用で自分の気持ちを言葉にして伝えるのも苦手な俺にとってはとてもありがたい
これからもハードルの高さは据え置きでお願いしたいところだ
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名無し84745号(プロフ) - 凛花さん» コメントありがとうございます。感想が聞けてすごく嬉しいです! (2019年4月13日 12時) (レス) id: 8ba8fca067 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵でした!ゆとやぶ大好きなので書いてくださり本当に有り難いです…! (2019年4月12日 21時) (レス) id: d67589c485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し84745号 | 作成日時:2019年2月3日 23時