恋路は二人で歩きたい2 ytyb

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車を発進させずにコーヒー缶に手をかけるとプシュという音が車内にやけに響く


「久しぶりだね」
「そうだな、久しぶり」

「今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」

自分から仕掛けてきたくせに急なかしこまった雰囲気に耐えきれなくなったのか、ふふふと笑い出すゆうと


「こんなに会わなかったの初めてだから何を話せばいいのか分かんない」


珍しく照れてるのか恥ずかしそうな初々しい表情をしている

久しぶりとか長い間会ってないみたいな話ぶりだけど実際には年末年始の５日間会っていないだけ

大袈裟だけどこれでも最長記録だったりする


「普通の話でいいだろ。大学生はお年玉貰えるのか？」
「貰えたよ。やぶくんはもうあげる側？」
「うん。年々子供が増えて名前を覚えるのも大変」


可愛いからいいけれども


実家には大晦日と元日だけいるつもりだったが、大掃除を手伝えと電話が入り予定より早めに帰るはめになった

結局大掃除だけにはとどまらず親戚回りやらにも付き合わされ、年が明けてから3日の今日になってようやく解放されたのだ


気を使ってかゆうとは新年の挨拶のメッセージ以外連絡を寄越してこなかった

頻繁に連絡をしてくるだろうと思っていたので拍子抜け


きっと我慢させていることだろうと思い、昨日の夜に電話をかけ、今日帰る旨を伝えると声のトーンを一つ上げてわかりやすく喜んでくれた

せっかく車を出していることだからお詫びもこめてどこか行きたいところあるかと聞いたら
初詣に行きたいとリクエストされた

実家から戻ってきて、マンションの前で待たせておいたゆうとを乗せて今に至るという感じだ


「よし、そろそろいきますか」


ゆうとの身体も暖まってきたらしく肩の力が抜けている

シートベルトを締め直して目的の神社へと向かって車を再発進させた

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