1月の願い事 ページ13
夜の闇に浮かび上がった街灯やビルの明かりを車に乗って追い抜いていく
ぬくぬくと暖房がしっかり効いた車内は二時間近くドライブしてきた俺には暑いくらいだが、
さっき乗ってきたばかりのゆうとは肩を縮こませ、一生懸命手のひらをスリスリして暖をとっている
道が混んでいて遅れるから家の中で待ってろと言ったのに意地張ってるのか分からないが、
30分近く寒い夜空の下で過ごして身体が冷えきってしまったらしい
可哀想だけどこれ以上暖房を強めるわけにはいかないなと思っていると、丁度よく前方にコンビニの見慣れた看板が見えてくる
左にウィンカーを出して速度を落とし、安全確認のため左を見たときにゆうとと目が合う
何か買うの?と目で問いかけられた
「ちょっと休憩」
ハンドルを切って駐車場へと入り、店の入り口に一番近いところが空いていたのでそこに前から突っ込んで車を停めた
店内から漏れる灯りが眩しい
暖房を付けっぱなしにしておくためにエンジンは切らずにそのまま
シートベルトを外してドアに手をかけると、後を追うようにゆうとも慌ててシートベルトを外そうとする
「ここで待ってて。お茶でいいよね?」
遠慮しているのか少し戸惑いながらも首を縦に振ったので財布だけ持って車から下りた
店の中に入るまでの少しの間でも寒さが身にしみる
こんな中よく30分も待ってられたな
店内をぐるっと一回りして見つけた暖かい飲み物
やはり寒さのせいか品数が薄い
自分用の缶コーヒーと本来の目的であるゆうとのお茶を手に取ってレジで会計を済ませる
自動ドアから一歩踏み出すと再び寒さが襲ってきた
「さむっ」
買ったばかりの暖かいコーヒーとお茶が役に立つ
急いでドアを開けて車に乗り込むとふっと身体に入っていた力が緩む
「はい、お茶。あったかいやつ」
「え、ありがとう」
ゆうとは暖をとるようにペットボトルを両手で持って一息ついた
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名無し84745号(プロフ) - 凛花さん» コメントありがとうございます。感想が聞けてすごく嬉しいです! (2019年4月13日 12時) (レス) id: 8ba8fca067 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵でした!ゆとやぶ大好きなので書いてくださり本当に有り難いです…! (2019年4月12日 21時) (レス) id: d67589c485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し84745号 | 作成日時:2019年2月3日 23時