恋路は二人で歩きたい2 ytyb

11月の惜別 ページ1

「ありがとうございましたー」


夜なのにやけに元気なバイトの男の子の声でコンビニを出て家の方へと足を向ける

マンションからは徒歩４分といったところにあるこのコンビニに2日連続でお世話になっている

右手に提げた袋にはありがちなのり弁と明日の朝ごはん用のパン
これも昨日と同じ

ゆうとが来ないとすぐに生活が乱れてしまいがち
甘えすぎたかな


最近ふと別れたときのことを考えてしまうことがある

今さら一人でちゃんと生きていけるのか
一人に耐えられるのか

精神的にも生活面でもゆうとが占める割合が大きくなりすぎてしまった


昨日は授業の課題、今日はバイト

実に学生らしい理由で二日ゆうとの姿を見ていない

恋人と二日会わないなんて学生時代は普通のことで、というか特段気にするようなことでもなかった

むしろ毎日会うなんてめんどくさいと思っていたのに

ゆうとたった二日会わないというのは、
さみしく、恋しい

マンションのエントランスの明かりが見えてきた

「さみーな」


強めの風が吹き、冬が近づいているこの季節をなめてかかって薄着で外に出てきたことを後悔する

肩を少しすくめながらエントランスの手動ドアに手をかけたとき


「やぶくん！」


聞きなれた声が背後からする
振り向くとやっぱり自転車に跨がったゆうと

二日会ってないだけで久しぶりとか思っちゃうほどには重症


「ねぇ、ちょっと待っててー」


慌てたように駐輪場に向かっていく背中を見送る

バイト終わりか

この時間帯にコンビニに行ったのはたまたまゆうとと会えるかも、なんていう下心が多少あったことは否定しないが

まさか本当に会えるとはね


にっこにこしながら戻ってきたゆうとと共にドアを開けて中に入った

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