17話 ページ18
だんだんと、圧迫されて苦しくなっていた。だんだんと頭も白くなってきて何も考えられなかった……しかしこうするのならあの時に秀一に正体、教えてやればよかった……なんて呑気にもそう思う。
同時に今行動を起こしているのは俺だけど、それでも、もしかしたらこれら全てが神様の仕組んだことなのかもしれないなんて、思ったり。
気付かないうちに、神なるものの手のひらに転がされてたのだろうか。
後ろから人の暖かい温もりを感じてから記憶にない。
｢兄さん……｣
――目を覚ました。 本来ならば覚めることも、それを認知する事も出来なかったはずなのに。
俺は今、何を見ている。 白を基調とした部屋。 手に繋がる点滴。 酸素マスク。 あぁ、ちゃんと病院じゃないか。
「神様は俺を殺したいのか殺したくないのか」
許されないはずなのに、いまはどうしようもなく兄弟に。 息子や娘達に会いたい。 あって抱きしめて謝りたい。
俺は自分の事しか考えられない自己中心的な偽善者だ。 でも偽善者だからこそ出来たことも両手じゃ数え切れない。
「……そんな涙を流した目で言うなよ。 いつもみたいにからかえねぇだろうが」
ふとそんな声が耳元に響いた。 あぁ、目の前の存在にすら気づいていないんじゃ本当に、ためだなぁ。
いつの間にか、ベットの前で膝をついて俺の髪の毛を撫でている秋がいた。 あんな電話をしたんだ、怒るのも無理はない。
「いつも、俺は、俺らは転生前の話をしてあんたに、父さんにちょっかいかけるけどさ、それも全部、子としての愛情なんだ。 あんたに言ったことなかったけど……」
――お前の子として孤児院に転生してきた奴は皆、前世に親が居なかったり愛情を知らないで死んだやつなんだ。
その秋の、感情の籠った言葉にごくりと喉を鳴らす。 初めて聞いたぞ……。
「俺が代弁するのもなんか違うきぃーするし、鈴姉さんが適任なんだろうが、俺に言わせてくれ。」
――皆、父さんの事が本当に大好きなんだ。 皆、初めての愛情を父さんに貰ってんだ。 赤子もそうだ。
その言葉に、心の中の張り詰めてた糸がプツリと切れて……そしてヒビの入りまくっていた厚い仮面がパリンと割れた気がした。
「だがしかし、俺は主要キャラの赤井の兄貴だって事実は認めねぇ……主要キャラに嫉妬するとかださいし」
最後はなんて言ったか聞き取れなかったが本当に可愛かった。 だから抱きついたのにジジくさいと言って部屋を出られた
なぜに？
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サクヤ(プロフ) - 更新ありがとうございます！待ってました！そして最新話読んで若干泣きました！これからも無理せず頑張ってください！応援してます！ (2020年12月30日 21時) (
レス) id: f05c140f5e (このIDを非表示/違反報告)
sikura(プロフ) - 続きが楽しみです！無理しないで更新していってください！ (2019年12月7日 15時) (レス) id: 8625e8b290 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 続きが楽しみです！（泣）続きが気になりすぎて夜しか眠れないですがぁ（泣） (2019年9月11日 17時) (レス) id: bcd225de1e (このIDを非表示/違反報告)
マレイ(プロフ) - 月夜さん» コメントありがとうございます！次回更新時に招待を正体へと訂正したいと思います。ご指摘ありがとうございます！続きを楽しみにしてもらえて嬉しいです。 (2019年6月22日 10時) (レス) id: 7b94b28b2d (このIDを非表示/違反報告)
樹姫(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります！ (2019年6月20日 16時) (レス) id: fc4bcc113a (このIDを非表示/違反報告)
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