モノ=金 ページ1
俺は今日も一日この荒れ果てた砂漠とも例えられる場所で金を荒稼ぎしている。
適当にこのフィールドと呼ばれる場所でフワフワと浮いている濁り色した球体……即ちモノと呼ばれる存在を一体倒すだけで高級な肥料を買えるだけの金が国から村へ直接配布される。
これほどまでに美味しい話があろうか?いやない。
まぁ初めの頃そんな話を耳にした時は一体どんな化け物と戦えばそんな大金手に入るんだ……土を耕す方が良いと反論ばかりしていた。そんな自分が懐かしい
村などから一名任命されている惨殺兵だからほかの村からやってきた奴らと金の奪い合いになるかと危惧もしたりしていたがたまに人とすれ違う程度で基本的には誰もいない。
周りだけ確保してモノを倒してけば楽なのにみんなは冒険が好きなようだ。生憎俺にはそんな心理到底わからないし分かりたくもない
「おい!貴様!こんな所で何を呑気に過ごしている!」
おや、唐突に黒い短髪のツリ目気味のしっかりとした鎧と真剣を身につけている男が喧嘩腰に話しかけてきた。
『俺ですか?』
「そうだ!なんでまだこんなLv1のフィールドに居るんだよ!俺一人だと思ってたが」
『え?モノはしっかり倒してますが』
何となく貴族階級的な雰囲気がプンプンとしていたから敬語にしといた
「俺は国王の一人息子である片山だ!貴様は?」
そう来たか……なんだな俺様な感じしてくそ腹立つなこの野郎。明らかに俺の方が年上だってのに。まぁこの世にそんな心理通用するわけがないからどうでもいいや
『帝国から遥か果の方で農民をしています兎山と申します』
「ふーん……要はただのビビりなのか。そんなんだからいつまでもLv10なのだろう」
おいおいおい……聞き捨てならぬ言葉が聞こえたなぁ……なら王様とやらの頭上に記述されてるもじは
『Lv1じゃん王様』
「俺に抵抗するのか!?死を覚悟の上での発言だろうなぁ!?」
いや元より果の方で暮らす事を余儀なくされている俺たち農民は常に感染だったり獣だったりで死は隣合わせだったっての。
畑を獣に襲われて飢饉に陥った時なんて村の役40%は召されていただろう
『はい、そうですね。その前に王はここからすぐに出れる見通しでもあるのか?』
「だから俺は前に前に進んでるんだ!とっととモノやっつけまくって壁ぶっ壊して城に帰るためにな!」
『それって城からつまみ出されてません?』
そしてそのまま暫くの間、俺は王を最大限にからかって遊んでいた。
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紅葉遥喜(プロフ) - とても面白いです!オリジナルファンタジーは、あまり拝見しないのですが、たった3話読んだだけでこの世界に入り込んでいました! アカウントが違いますが、機種変しました。今後とも応援させていただきます! (2019年6月1日 17時) (レス) id: de41049d3c (このIDを非表示/違反報告)
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