エルキドゥ(偽)が日常を過ごす話2 ページ15
やあやあ、皆さん。小学校生活に飽きがきてきたエルキドゥだよ。
教科書は虫眼鏡でみたみたいに字が大きく、まるで雑誌のようにペラペラ。その殆とがひらがなで、読みにくいったら仕方がない。
でも小学校から不登校とか笑えないからちゃんと通うよ。轟くんに癒されるしね。
「はーい、皆ー!
7に何を足したら10になるか。分かる子はいるかなー?」
今は算数の授業中。担任の先生は無個性だけど優しくて笑顔あふれる先生だ。最近は彼氏といい感じになってきて、職員室で既婚の先生と話ししているのを聞いた。
出会いは苛められていた自分を颯爽と助けてくれたとき。いいね、純愛。僕、そう言うの好きだよ。
「うーん、なんだろ?」
「わかんないなぁ」
教室が疑問の声で埋め尽くされるが、僕は一人思考にふけっていた。
そう言えば、僕の両親の出会いは何だったんだろう。デンジャラス結婚を成し遂げた位だ、とてもロマンティックな物語があったはずだ。
…いいや、でも、母さん、意外と直ぐに落ちるんだよなぁ。思い続けると一途だけど、一途になるまでが一瞬っていうか、なんていうか…。
─ああ、もう! 魔力不足で思考がうまくまとまらない!
きっと襲われていたところを助けて貰ったとか、道路に飛び出て僕はしにません!したとか、ロミオとジュリエットみたいな事があったとか…。うーん。
「ねえねえ、エルキドゥはここわかる?」
「うーん、わからないなぁ」
「! じゃあ僕がおしえてあげる!」
両親の事を考えていたら轟くんの言葉についつい返答してしまった。あっごめん轟くんそう言う意味じゃない…、まあ、いっか。
僕に教える事が出来て嬉しいのか、優々として僕に説明をしてくれる轟くん。教え方はとっても丁寧で、きっと母親に似たんだろう。
…余談だけど、この子、少し前に分数の計算をやっていたんだ。
流石の僕も驚いてね、そんなのよく知ってるね。誰に教えて貰ったの? と聞いてみた。
そして帰ってきた返事が「家でお父さんに習った」って、いつもの彼らしくない平坦な声で答えたんだ。
いやまあ、不謹慎だと分かっているんだけど、そのとき僕はこう思ったんだ。
───なにその「ハワイで親父に習った」みたいなワード。
僕は一生懸命説明してくれる轟くんを微笑ましく見つめながら、そんな事を考えていた。
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梶井さんが好きな岩野泡鳴(プロフ) - 初コメ失礼します。唐突ですが年齢差でお兄ちゃん的なギルを出して欲しいっす。なんかこう…親戚的な…エルキドゥが高校入った頃にはヒーローやってる的な…エルキドゥが小1なら中2とか…そういう…(黙れ) (2019年9月19日 2時) (レス) id: e3c16a62a9 (このIDを非表示/違反報告)
自宅警備隊のノミ(プロフ) - ゴリラ枠は ルーラー と 全体太陽宝具さんで十分です(震) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 706dd7d92d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃプリン(プロフ) - 初めまして。この作品面白いですね!更新待ってます!! (2019年6月2日 12時) (レス) id: 040f29317b (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - この作品大好きです。頑張ってください! (2019年5月3日 13時) (レス) id: 3553c63234 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - まっさっかのォォォ(尊い( ˘ω˘ ))ぐああああああ更新頑張ってください!応援しております故、エルキドゥ君を私にくださ(( (2019年1月17日 21時) (レス) id: a076412724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無しの難民 | 作成日時:2018年6月1日 20時