狂いゆく未来 �� ページ6
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｢トウマだって分かってたんじゃないの？｣
｢そりゃそうだけどさ…｣
図星のようで口をもごつかせる。
一度、置いてあった水を飲み込むと言葉を選ぶようにして続きを話した。
｢ヤバい奴だって思いながら、なんで、了さんと一緒に仕事してるんだ？｣
全員が沈黙を決め込む。何処と無く気まずい雰囲気が流れた。
そんなこと、聞かなくたって。
自然に視線が俯きがちとなる。目に入ってきたのはたった今も使っていたスケッチブックと鞄の中に入るもう1つ、色違いのスケッチブック。
狗丸さんは気付かずに、更に思いついたと言わんばかりに勢いを強めた。
｢…そうだよ！どうしてŹOOĻに入った？ちゃんと腹割って話したこと無かったよな｣
｢………｣
｢今から居酒屋予約するからさ。今までのこと、これからのこと話そうぜ。あ…ハルとAがいるからファミレスがいいか？｣
誰かがため息を吐く。
｢どうだっていいよ。今までのことも、これからのことも｣
お先に、とたった一言を残して亥清は楽屋を出ていった。相談をして欲しかった割には呆気なく狗丸さんも戸惑って引き留める声が間に合わなかった。
この話が続くのなら僕も帰らなければいけない。
再びスケッチブックを鞄に詰め込むと、そのまま留め具も付けずに持ち手を握った。
椅子を引くと床に引き摺られて不規則な音が鳴る。立ち上がると躊躇うことなく亥清が出て行ったばかりのドアのノブに手を掛けた。
｢ま、待てよ！｣
足を止めると顔だけ振り返らせる。
一瞥くれると楽屋を出て後ろ手でドアを閉めた。
最後に見えたのは狗丸さんの悲痛そうな表情だった。
…なんで、貴方がそんな顔をするの。
また、ため息を吐く。
嫌なことを思い出してしまった。
このまま家に帰るのも何となく嫌で、足の進むままにふらりと何処かへ行ってみようと思った。いつもならこんな時間の無駄になることはしない。
廊下で何度か煙草の匂いをスーツに染み込ませた人とすれ違い、漸くロビーまで辿り着く。
特に理由は無いが、今年リニューアルしたばかりであるゼロアリーナに行くことにした。目的地を得た足は先程よりもキビキビと動き出し、しっかりと歩を進め始める。
その間も蘇ってきた過去が頭から離れなかった。
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如月(プロフ) - かんざしさん» コメントありがとうございます！とんでもないほどの亀更新ですが、お付き合い頂ければ幸いです！ (2022年7月23日 9時) (
レス) id: 84c586e8ee (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。更新楽しみにしています。 (2022年4月10日 9時) (レス) @page22 id: d0a7163713 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - じんさん» コメントありがとうございます。いい作品と言ってもらえ、とても嬉しいです…！A3！も余裕が出てくれば書いてみたいと思っているので、その時は読んで頂ければ幸いです。これからもゆっくりですが、更新頑張りますのでお楽しみに…！ (2021年5月6日 22時) (レス) id: 84c586e8ee (このIDを非表示/違反報告)
じん(プロフ) - コメント失礼します。とてもいい作品だなと思いました。A3!も良いですよね〜(アイナナはゲームをしているのですが、なぜかA3!はダウンロードしても起動せず、ラノベで楽しんでます。)これからも楽しみにしています。(コメント中失礼な文があればすみません。) (2021年5月6日 22時) (レス) id: 8477ec0dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月 | 作成日時：2021年1月9日 16時
