月曜日の日常 ページ35
出勤初日。
なんだかソワソワしつつ、出かける準備をする。
緊張で、昨日はあまり良く寝られなかった。
新しい仕事はもちろんワクワクするけど、それ以上に不安が大きい。
...一番は人間関係だけど。
「ケータイ持った。財布持った。ポーチ持った。...あ、そうだ。メモとペンと...」
服装は飲食店以外は自由らしい。
でも動きやすい格好で来てって。
確かに店に行った時みなさん、Tシャツにジーパンだったけど...
前職が保険会社だったから、フォーマルな服しか持ってなくて、慌てて買い足した.....さすがに部屋着みたいなヨレヨレのTシャツじゃまずいと思って。
「...よし。おっけ」
パチンと両頬を叩いて気合いを入れて、いざ初仕事へ!
営業は10時からだけど、準備とかあるだろうし、とりあえず9時にお店のある敷地内に着いたけど...
「...人気なくない?」
めちゃくちゃ静かなんですけど。
錦戸さんのお店になるはずの建物を覗けば、ドアには「閉店やで!」の文字と何も商品が並んでいない棚だけの店内。
閉店のメッセージはたぶん、村上さんのお店のもの。
「え?本気?1時間で全部移動するわけ?」
それでもどこを探しても店主の錦戸さんの姿は見えない。
お店の入口は鍵がかかってるし、ビニールハウスやカフェの建物の方にも誰もいない。
一応、倉庫の入口が開いてるから、もしかして倉庫の中...?と思ったけど、広い倉庫内どこを探しても錦戸さんの姿はおろか人一人いない。
...いやいや。おかしいじゃん。
今日私、初日よ?初めてここで働くのよ?なんかあるでしょ、挨拶とかさ、流れの説明とかさ。
誰もいないってある??
そこまで考えて、私はため息をついた。
数々、ここの店のテキトーさを知ってしまっているから、ありえない話ではない。
もう慣れるしかない。ここは常識が通用しない世界だ。
と、自分に言い聞かせて、階段を上って、事務所の扉の前へ。
呼び鈴を1度、鳴らしてみる。
...出ない。
ここは渋谷さんと丸山さんが住んでるから、どっちかはいるんじゃないか、なんて期待したけど...
もう一度鳴らす。
...出ない。
もうやけくそになって、連打した。
赤「...朝っぱらから何の用や、暇人」
「...仕事なんですけど」
ようやく中から音がして出てきたのは、髪を大爆発させて、不機嫌そうに目を擦って寝起き感満載の渋谷さん。
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倉安LOVE - これからのすばるくんと主人公ちゃんのやりとりに注目していきたいね。 (2018年11月3日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 倉安LOVEさん» 嫌いなのか……好きなのか……笑 (2018年11月2日 21時) (レス) id: ee8561c84e (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - すばるくんは未だに主人公ちゃんのことを嫌っているのかなぁ?これからどうなっていくんだろう? (2018年11月2日 16時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
倉安LOVE - はい、楽しみに待っています。 (2018年10月30日 10時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 倉安LOVEさん» ありがとうございます!!!いやー主人公ちゃんどうするんでしょうね...笑 楽しみにしていてください! (2018年10月29日 19時) (レス) id: ee8561c84e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめ | 作成日時:2018年10月14日 8時