８２. ワガママ ページ37
目が覚めた。
そこは、いつも通りの見慣れた天井で、一つ違うとしたら、姉さんの心配そうな顔が見えたこと。
「A！？」
『ん…。ぅ、いったぁ』
全身が鞭のようなもので殴られたように痛い。
それに加えて、片腕の痛みが襲ってくる。
爪の先が冷えたように冷たいことから、また夢とシンクロしてたのだろう。
「よかった、焦凍達はうまくいったんだね」
私の無事を確認して、そう微笑んだ姉さんに首を振った。
私がこうして起きられているのは、また別の理由だ。
『まだ、完璧じゃない。私の、本当のお母さんが助けてくれたの。でも、これは一時的にすぎない』
またいつ、呪いが発症するか分からない。
そして、今度こそ、私は抗うことなんてできないのだろう。
『行かなきゃ…』
私もあの場所へ。
焦凍の元に。
だから、お願い。私の身体、言うことを聞いて。
「無茶よ。そんな身体で…」
『でも、行かないと。これが、最後のワガママだから』
姉にそう言って、笑いかける。
少しずつでもいい。
確実に、私は一歩を踏み出した。
◆◇
悪魔は一人、嗤っていた。
夢に干渉できるのは夢だけ。
夢から醒めた悪魔は、轟焦凍と轟炎司の元へと歩き始める。
まだ、二人とも夢から完全に醒めていない。
眠っている二人を殺せば、きっと彼女は手に入る。
そうすれば、彼女は素の自分を思い出せることだろう。
「って、思ってたのですが。随分としつこいようで」
悪魔は後ろを振り向いて、その姿を確認した。
やれやれと頭を振る悪魔には、隙など微塵もない。
「あぁ、俺はAを諦めることなんてできない。返してもらうぞ」
「ははは、返す？奪ったのは貴方方でしょう？返してもらうのはコチラです」
「はっ、お前、本気で言ってんのか？Aの両親も幸せも奪ってるのはテメェだろ」
轟焦凍は怒りを露わにして、声を張り上げた。
その後ろで、轟炎司はひたすら集中力を高めているようで、悪魔は笑う。
小細工など通用するわけがないというように。
「いくら、貴方達が策を講じようとも無駄ですよ。ここは私のテリトリーだ」
「あぁ、だからお前は負ける」
タカを括っている悪魔に、轟焦凍はそう言い放つと、建物全体が氷で覆われた。
「なっ、これでは罠が発動しない！！」
悪魔は焦り始める。
が、すぐに笑い始め「なーんて、嘘です」と焦りを消した。
「こんな氷では私の罠は防げませんよ」
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
