８３. 結界 ページ38
数分前。
「は？A、何言って」
俺はスマホのバイブで目を覚ました。
画面に表示されたのは、Aという文字で、電話に出たのはいいのだが、訳の分からないことを言うのだ。
ここに、向かっていると。
『お願い焦凍、言うことを、聞いて？今から10分後、私は、その建物に、水の結界を張る。焦凍は、その水を…凍らせて』
「そんな息が上がってる状態で、無理に決まってんだろ。大人しくしてろ」
『ダメ。これは、私がしないと。お願い』
「…………10分後だな。それまで、時間を稼ぐ。無理はするな」
『うん。分かった』
ピッと音がして、通話が切れると寝ているクソ親父を起こし説明。
そして、今に至る。
氷では罠を防げないとタカをくくっている敵は、なおも焦りなど見せない。
この建物を覆う氷がまだ、俺のせいだと思っているようだ。
「いきますよ。黒雷」
バチバチと黒色の雷がけたたましく鳴り響く。
それらは、全ての氷を破壊するが如く四方八方に地面をえぐるように広がっていく。
これが、氷の結界内でなければ、地獄絵図そのものだっただろう。
いや、そう夢として見せているだけではあるのだが。
「……なるほど、氷の結界、というわけですか。確かに私のテであるこの場所を貴方方のテリトリーに変えれば勝てるかもしれませんね」
気づいていないのか。
「ですが、それはやはり不可能です」
この氷を操るのはAだ。
俺には決して真似のできない個性の使い方。この氷にはAの水が使われている。
氷の結界と勘違いしているようだが、本当は水の結界だ。
「それは、どうか分かんねぇぞ」
「は…ぃ？」
氷が溶けて水となり、その水がふよふよと浮いて、敵を縛り上げる。
さすがの敵もこれには驚いたのか、顔色が変わった。
「エンデヴァーか？いや、彼は動いてすらいない……」
氷を溶かしたのがエンデヴァーだと思ったのだろう、アイツの方を向いた敵は小首を傾げる。
「なんなんだ。これは……俺が知らない…いや、これは………」
「気づいたか？これは、俺たちじゃない。Aの水結界だ」
「ふふ、甘いですね。…黒雷！！」
バチバチとまた雷が鳴り響く。
しかし、その水が電気を通す様子もなく、完全にその雷を防いだ。
「な、水は電気を通すはず……」
「甘いのはお前だったみてぇだな。純水は電気を通さない」
まさかと顔を怖がらせた敵は、わなわなと震え始めた。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
