７３.無知 ページ28
『冬美姉さん？』
様子がおかしい姉にそう声をかける。
焦凍も心配そうに姉を見つめていた。
「……二人とも、明日。話があるから、早く帰ってこれる？」
ゆっくりと口を開いた姉。
その声はどこか震えていて、何故だかわからないけど、嫌な感じがして恐怖を感じてしまう。
『…分かった』
「あぁ」
もしかしたら、冬美姉さんはこの夢のことを知っているのではないか。
そんな疑問が頭をよぎった。
もし、私が知らないなにかを冬美姉さんが知っているとしたら……。
そう思うと、怖い。自分が無知である事をこんなに怖いと思ったことはないのに。
「じゃあ、この話は終わり。湿布はあげるから早く寝ること」
空元気にそう言った姉は私に湿布を手渡すと、部屋から追い出すように急かす。
それに従って、私達は部屋から出るとそのまま自分たちの部屋へと戻った。
結局、眠れなかったけど。
◆◇
『冬美姉さんの話ってなんだろうね』
学校からすぐに帰って、今は姉の帰宅待ち。
夜、眠ってないからか物凄く眠たいが、怖くて寝ることができない。
「A、大丈夫か？」
私の顔を覗き込みながら焦凍がそう声をかけてくる。
疲れが顔にも出ていたのかもしれない。毎回毎回、焦凍を心配させるわけにはいかないので笑顔でいなければ。
『気にしないで、私は元気だから』
「…強がるな。お前はいつもそうやって誤魔化そうとする」
『……、本当に大丈夫…だから』
嫌なんだ。
これ以上、焦凍の枷になってしまうのは。
「……そうか」
焦凍は私に何かを言うこともなく、口を閉じた。
静寂に包まれる空間。
ちょっとだけ、居づらくなってしまうような空気に耐えつつも、姉の帰りを待つ。
少しして、玄関から音が聞こえた。
「ただいま」
『お帰り、冬美姉さん』
姉は私を見るなり、微笑んで頭を撫でてくる。
その手はやはり震えていた。
「ごめんね。すぐお茶用意するから座ってて」
何かが違う。
冬美姉さんはこんなにも臆病に映っていただろうか？
まるで、その�爐瓦瓩鶚瓩�、遅れてしまったことに対することじゃなくて。
違うことに対するような言い方に。
『謝らなくてもいいよ』
なぜか、コッチが泣きそうになってしまう。
あんなに悲しそうな姉の笑みを見たことがなかったからだろうか。
「………いや、違うの。謝らなきゃいけないの。焦凍にもAにも」
コトリとお茶を机に置いて、姉は私達を見ると申し訳なさそうに頭を下げた。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
