７４.家族 ページ29
どういうこと…？
そう聞きたいのに、聞いてはいけない気がして、口をパクパクと動かす。
冬美姉さんは何のことを言っている？
なんで、謝ってるの？
そんな分からない疑問に、姉を見上げた。
「……Aと私達は血が繋がってないの」
『え？』
「は？」
それは、本当に一瞬だった。
なにかが、簡単に崩れ去っていくようなそんな警告音。
姉は申し訳なさそうに顔を下げ、焦凍は動こうともしない。
「……Aは、私達家族が引き取ったあるヒーロー家の一人娘。ごめんなさい、ずっと…言えなくて」
あぁ、なんだ。
やっぱりそうだったんだ。
なんとも言えない、脱力感が全身を襲って顔を下に向けた。
なんとなく分かっていた。
双子なのにこんなにも似ていない。多分、爆豪は気づいていたんだと思う。
だから、あえて言わなかった。
『……そっか。そう、だったんだ』
私は最初から……いらない子だったんだ。
ここにいるだけで、焦凍の足枷だったんだ。
父に認められるなんて、最初からあり得なかったんだね。
「でも、私は…家族だって思ってる。だから、本当は言わない方がいいって思ってた」
優しいよね、本当に。
冬美姉さんのその気持ちだけで、私も少しは救われる。
私は……醜いなぁ。
家族でいたかった。
冬美姉さん達と会話してご飯を食べて、帰る場所がここで。
それなのに、焦凍と血が繋がってないことを、少しながらに喜んでいるなんて。
『冬美姉さん、いいの。驚きはしたけど、怒ってなんかはないよ』
「でも！！…私は、騙して……」
騙してきたのは、私の方だ。
ごめんね、冬美姉さん。
こんなにも、謝らせてしまって。
罪悪感を持たせてしまって。
「…Aと血が繋がってなかろうが、家族に変わりはないだろ？」
静かだった焦凍がそう、口を開き私の方を見た。
あぁ、本当に優しい人達だ。
こんな私を、家族だと……言ってくれる。
私は彼らからいつも何かを貰ってばっかりだ。
いつか、お礼ができたらいいな。
そんなことを考えながらも、そっと拳に力を入れた。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
