６９.はじめの一歩 ページ24
つまりはこういう事だったらしい。
轟はあの整った顔のせいで、男女とわず、ファンができるほど人気がある、と。
それを妬む奴もいるにはいるが、ごく少数であるため轟に実害はない。
まぁ、問題は……。
そのファンクラブ的なものに暗黙の了解として轟に話しかけてはいけないというようなルールがあるってことだ。
「めんどくせぇことしてんな」
だから、彼女は孤立しているってことだ。
つか、よくチビ女は友達になれたな。度胸がすげぇわ。
「本当それな。そのせいで、簡単に話しかけることもできなねぇし」
まぁ、こういう奴らがいると思えば、それはそれでよかったのかもしんねぇが。
「はぁ…マジで爆豪、いいなぁ」
「うるせぇぞ、モブ共」
何が、いいなぁっだ。
自分で行動を起こせないカスが、羨ましがってんじゃねぇよタコ。
そう言ってやりてぇが、モブ共にはそんなことは出来ないのだろうと割り切って。
鞄を持つ。
他のモブ共も、中３の初日だからか帰る気配がないので、早く帰ってやろうと歩き出した。
これじゃ、残って勉強も出来やしねぇ。
靴箱に着くと、随分前に教室を出て行ったはずの轟の姿があって。
『爆豪……』
と呼ばれる声を無視する。
轟はそれを予想していたのか、文句を言うことはなく空を見上げていた。
「…はぁ、なんでここにいんだよテメェは」
『……うん、ちょっとね』
いつもなら、半分野郎と帰っているはず。
そう思い立って、さらに謎が深まる。
「半分野郎の迎えがこねぇのか？」
『ううん。今日はいいって言ってるの』
「なら、チビ女待ちか？」
『ううん。コウは彼氏と帰るって言ってた』
は？
なら、誰を待っていやがる。
「……まさか、お前」
『今日は……頑張って、友達作ろうと思ったんだけど。無理だったから』
「ぶは、ハハハ！！！お前、可愛いところもあんのな。久しぶりにこんなに笑えたじゃねぇか」
新しい友達と帰ろうと思ってて、迎えを断ったってことだろ？
本当コイツは…計画性がないっていうか何というか。
『うるさいなぁ。コウと友達になって、こういうのもいいかもって思ったんだよ』
「なら、話しかけてみろよ」
『それが出来たら苦労しない』
「なら、テメェには友達ができねぇ。それでいいなら勝手にしろ」
そう言えば、黙りこくって下を向く轟。
こういう時だけ、奥手なのな。
そう思って、轟の背中を押した。
「行けよ。テメェらしくねぇんだよ」
俺らしくもない。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
