５９.風邪 ページ14
一学期が終わり夏休み。
私と焦凍が付き合って初めての夏だ。
『ぅ……あ、さい、あく』
そんな中で風邪をひいてしまった私は本当にバカなのかもしれない。
今日は宿題して、身体を鍛える予定だったのに。と愚痴をこぼす。
「大人しくしとけ。俺が怒られる」
私の面倒を見ることとなった焦凍は布団の近くに腰掛けて本を読みながらもそう言った。
『…喉、いたい』
「もう、寝ろ。治んねぇだろ」
『だって……』
寝てしまったら、一人ぼっちだ。
風邪だからだろうか……そんな事を思ってしまうのは。
「なんだ？」
『いや…えっと……何処にも、行かない？』
「当たり前だろ」
『本当に？』
「あぁ」
ふっと笑った焦凍は私の頭を撫でながらも寝るように言う。
その手の温もりに安心して意識は深く落ちていった。
◆◇
��A、いいわね��
真っ黒の人影がそう言って、弧を描いた口で笑っていた。
あぁ、またこの夢だと内心うんざりする。
�狆播爐�ん。いつか、貴女を見捨てるわ��
そんな訳ない。
そう言ってやりたいのに、うまく口が動かない。
�爐曚蕁△世辰董帖牒�
ぱちんと目が覚めた。
うっすらと見える視界の中に焦凍の姿はない。
夢の内容が頭をよぎって、勢いよく飛び起きた。
焦凍が座っていたところに手を当てるが、時間が経っているのか冷たいまま。
�爐曚蕁△い覆き�
そうあの影が笑った気がして、顔が青ざめていくのがわかる。
『しょ、と。いか…ないで。ここに、いるって…』
ごちゃごちゃした感情の中で、ついに涙が零れ落ちた。
側に焦凍がいない。それだけで何かが崩れてしまうようなそんな予感。
『いや…だ。ひと、りにしない…でぇ……』
そんな時、襖の開く音が僅かに聞こえて、顔を上げた。
「お。…なんで、泣いてんだ？」
あぁ、やっと見つけた。
お粥だと思われる食べ物を私の横に置いた焦凍はスッと私の涙を拭う。
それだけで、安心して落ち着いて。
『…焦凍は、ずっと…私の側にいてくれる、よね？』
「？…ずっとは無理だろ。風呂とかトイレとか」
『む、焦凍、嫌い』
「俺は好きだけどな」
そう言いながら、お粥をスプーンに掬うと私の口まで持ってくる焦凍。
「ほら、口開けろ」
『ん…あー』
意図を察して、素直に口を開ける。
口の中に入れられたお粥は少し高いいつもと味が違っていて。
『焦凍が作った？』
「あぁ、不味かったか？」
『おいしい』
美味しかった。
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おつきみ(プロフ) - moeさん» ありがとうございます！！そう言ってもらえるととても嬉しいです！！これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年4月21日 17時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - この作品、大好きです、 (2018年4月21日 11時) (レス) id: 32c275f53e (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為で違反報告の対象になります (2018年3月26日 6時) (レス) id: 104648a3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2018年3月26日 1時
