１１.好きな人 ページ12
女の子が集まると恋バナというものに発展することが多い。
それは、小学生も例外ではなく、あの時もその恋バナというものが繰り広げられていた。
「ねぇ、Aちゃんは誰が好きなの？」
そう聞かれた小四の冬。
『焦凍』
そう答えれば、数人は困ったかのような顔をし、他の数人は馬鹿にしたような笑顔で私を見ていた。
「そういう好きじゃなくてね」
『なら、どういう好きなの？』
確かに私は焦凍が好きなのだ。
それが、みんなの言う�犢イ��瓩覆里�は知らないが、それでも私が焦凍に対して特別なナニカを抱いているのは事実である。
「Aちゃんの言ってるやつは、兄弟としてでしょ？他の人はいないの？」
『他の…人』
「私はね賢くんが好きなんだぁ」
笑顔でそう言う友達に何故か苦笑いをしてしまった。
この時、そうこの時だ。
私の持つ焦凍への感情はきっと言ってはいけないものなんだと感じたのは。
それと同時に私がおかしいのだと分かったのは。
『私は……』
�犢イ�な人、いないかなぁ��
小さくそう呟くように言った。
そうすると、周りの女の子は安心したかのような笑顔を見せていた。
それが、私のおかしさを認めているようで怖くなったのを覚えている。
授業の終わりを告げる鐘が聞こえて、顔を上げた。
ずっと、考えていたからか開いていたノートには、もちろん何も書かれてなくてそのノートを閉じる。
授業中にボーッとすることなどないから、初めての体験だったが、不思議と悪い感じはしなかった。
『好きな、人………か』
「どうした？好きな人ってなんだ？」
『！？』
急に頭上から声がして見上げてみれば、焦凍が首を傾げながら立っていた。
その手にはお弁当が握られている。
『なんでもない。ご飯、食べるでしょ』
「あぁ」
焦凍は何処からか椅子を持ってきて座る。
最初は、周りの目線が痛かったがもう慣れたものだ。なんて考えながら自分の弁当を出した。
「で、好きな人ってなんだ？」
『そのままの意味でしょ』
淡々と告げて、箸を手に取る。
きっと、焦凍は私のことなんかなんとも思ってないんだろうなぁ。
「そうか」
ご飯を一口、パクリと食べる。
なぜか、ご飯は上手く喉を通らなくて、やっと自分が思いのほか緊張していたことに気がついた。
焦凍に気づかれないように。
焦凍に怪しまれないように。
『美味しいね』
上手く笑えているだろうか。
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おつきみ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» えっと、それはステインさんが主役の小説ということでしょうか？それなら、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、挑戦できたらしたいと思います！ (2018年8月18日 12時) (
レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - ステイン様の小説も書いて欲しいです (2018年8月18日 12時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - 夢雪さん» 確かにそうですね。報告ありがとうございます！直しますね (2018年7月28日 14時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 兄弟というより兄妹なのでは…? (2018年7月27日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます！！続きも楽しみにしてくださるとは、とてもありがたいです！！頑張らせていただきますねp(^_^)q (2018年2月15日 7時) (レス) id: 927d00d57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おつきみ | 作成日時：2017年12月5日 23時
