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「ただいま〜。具合はどう?」
なるべく身体をあたためようと布団を羽織って、床の上で体操座りをして蹲っていた私の頭上からそんな声が聞こえた。
帰ってきたんだ。
「…ん、薬…」
「はい、これでええ?」
「うん。ありがとう」
「どういたしまして。ほら、飲み物も買ってきてあるから、早よ飲んだほうがええで?」
ペッドボトルのお水と薬を渡されて、すぐに薬を飲む。
お水まで買ってきてくれてるあたり、本当に用意周到で助かる。
「…んっ…これで、取り敢えずは大丈夫かな。本当にありがとう」
もうしばらくすれば、薬が効いて楽になるはずだろう。
「A」
「ん?なぁに?」
私の隣に座ったゾムくんは、薬を飲む時にズリ落ちてしまった布団を拾って、二人して布団に包まれる形でかけ直す。
驚いて、ゾムくんの方を見れば、悪戯っ子のように笑う姿。
「んふふ。俺も入れて!」
顔が熱い…。
照れ隠しに、少しだけ俯いて頷けば、ゾムくんは、手を絡めながら「ありがと」なんて言う。
これだから、ズルい…。
「帰ってきた時、ダルマさんがおったからビビったわ」
「ふふっ。…寝転ぶより、コッチの方が楽なんだよ…?」
「ふーん…。俺には分からへんから、こうやって、居ることしかできひんな…」
「充分だよ」
一緒に居てくれるだけで充分、嬉しい。
そんな気持ちは伝えることはなく、ゾムくんの肩に頭を乗せた。
ゆっくりと目を閉じれば、眠気が襲ってきて、今にも寝てしまいそう。
「ゾムくん、私のせいで…学校…ごめんね?」
思い出したかのようにそう言えば、ゾムくんは私の頭を優しく撫でながら答える。
「ええよ、別に。…Aのおらん学校とか行く意味ないやん。それに、サボっとるのはいつもと同じやし…」
「今回は、私が先生にゾムくんの弁明をしとかないとね」
「ふはっ。なんやそれ」
「ゾムくんのおかげで助かりましたって。本当に辛かったから…ありがとう」
小さく微笑む。
そうすれば、ちゅっとワザとらしく音を立てて、額にキスを落としたゾムくんは優しく微笑んだ。
「そう思うなら、はやく良くなって」
私を寝させるためか、肩をギュッと抱いて引き寄せるゾムくん。
さらに、近くなった距離に心臓が跳ねる。
が、それ以上に安心して。
「…ん、分かった」
ゆっくりとまた目を閉じた。
ーーー
大変遅くなってすみません!!
本当にごめんなさい…!
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月見(プロフ) - ゆうなさん» 感想ありがとうございます!!文才が足りないところも多々ありますが、頑張ります!(笑) (2021年2月22日 20時) (レス) id: 3ca37bb3dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 続編…!!!!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、、、ゾムがイケメンだ、イケメンだぁぁぁぁぁっっ!!!そして夢主も可愛いっっっ!!ぁぁぁぁぁぁあぁあ、話が面白すぎる!そしてめっちゃ癒されます…てかもうにやけ顔が収まらんww これからも頑張ってください!!! (2021年2月18日 4時) (レス) id: 53cc08d6c4 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - RURUさん» 続編の方にも、感想ありがとうございます!続編も頑張りますね! (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - すき焼き…(訳:続編も最高です) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年1月13日 23時